先日のチャカ・カーンのアルバム聴いてた時に、当時よく聴いてたモノを色々と聴きたくなったので久々にホール&オーツの「BIG BAM BOOM」をチョイスした。リリースは1984年。

実は後から知った事だけど、このアルバムって彼等にとっては通産16作目にあたる作品で(ライブ・ベスト盤入れて)それでも当時の人気は凄まじいモノがあった。リリースすればシングル・アルバムの両チャートには必ず名前がある感じだったし、音楽性も初期の素朴なモノから時代の流れを上手く取り入れて変化させていく事に長けていたお陰で長年続けてこられたのだろうと。残念ながらこの作品を機に彼等のピークは徐々に落ちていってしまったけど。

ヴィヴィッドなジャケットにも表れてる通り、彼等が持つキャッチーなポップ感覚に彼等にしては珍しいダンスビートを上手く融合させたお陰で、当時はまだ洋楽をそれほど知らなかった私でも洋楽の入口には十分魅力的だった。
躍動感溢れる短いインスト「DANCE ON YOUR KNEES」から間髪入れず1stシングルの「OUT OF TOUCH」へスムーズに移行するのが凄くカッコイイ。また「OUT OF TOUCH」も如何にも彼等ならではの楽曲で、当然の如く全米No.1を獲得している。続く「METHOD OF MODERN LOVE」も2ndシングルで全米5位、シンプルなバラードの3rdシングル「SOME THINGS ARE BETTER LEFT UNSAID」(邦題:言わずにおいで)は全米18位、ジョン・オーツがボーカルを取る4thシングル「POSSESSION OBSSESSION」は全米30位とシングルチャートでも猛威を振るい、アルバムも全米5位まで上がりダブルプラチナムを獲得してる事から、彼等の全盛期の集大成的な意味合いも感じられる。

楽曲に強みがある人達なので、それが時代の音と融合すればそれなりに売れるのは間違いないのだけど、今思うとかなり時代に寄り添った音楽性だったと感じた。ただ、彼等が上手かったのはやり過ぎていないという事。クイーンの「HOT SPACE」みたいにそれまでのイメージを崩してまでのめり込む訳でもないし、元々彼等は古いR&B系にも理解があったのでこういうダンサブルなスタイルにも十分適応出来たのかと。

余りに売れ過ぎたお陰か、次作「OOH YEAH!」に続くまで彼等にしては珍しく4年のブランク(途中ライブ盤やダリル・ホールのソロ作が入った影響で)が入り、また「OOH YEAH!」もこのアルバムとスタイルが近い事も影響してか、その間の音楽シーンの変化に付いていけなくなった結果、活動自体にも影響を示す事になってしまったのはホントに残念だった。「OOH YEAH!」も良い作品なだけに。

未だに現役ながらも活動はかなり消極的になってるのが気になるけど、これだけ長い間活動してると2人の距離感もこの位の方が上手くいくのかも。ダリルはネット配信の「DARYL'S HOUSE」で相変わらずプレイしてるし、ジョンの方もソロを細々とやってる感じだけど、彼等が次に作品を出す日は来るのだろうか?気長に待ちたいとは思ってるけど...


「OUT OF TOUCH」


「POSSESSION OBSSESSION」
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暫く振りの更新です。2週間前くらいからちょっと体調を崩してしまい、仕事は一応こなしているんですが、疲労や腰痛や睡眠不足が重なってたのでネット自体暫く控えてました。まだ本調子じゃないんで少し更新が滞るかも知れませんのでご了承のほどを。

さて、以前から気になっててなかなか中古盤で見付からなかったビル・ネルソンズ・レッド・ノイズの最初で最後のアルバムとなった「SOUND ON SOUND」を手に入れる事が出来たので今回はコレをチョイス。発表は1979年。

以前レビューしたビ・バップ・デラックスのCDを購入した時に彼等に関する事をネットで色々調べていたら、このアルバムに行き着いた訳だけど、そのビ・バップ・デラックス解散後に中心メンバーだったビル・ネルソンが組んだバンドがレッド・ノイズ。詳細はよく分からないけど一応バンド名義になってるもののビルが殆ど一人で作り上げたという話らしく、ビ・バップ時代同様多彩な才能を見せ付けている。

まず冒頭の「「DON'T TOUCH ME(I'M ELECTRIC)」から驚かされる。ポップフィーリングはビ・バップ時代からずっと持ち続けていたモノだけど、それに電子音が絡んで歯切れの良いリズムとギャンギャン鳴ってるギターの比率が、何処かぶっ壊れた感覚を感じさせる。これをリアルタイムで聴いた人達はまず驚いたんじゃないだろうか?
全体的にロック、ニューウェイヴ、ポップ、テクノ、スカやパンクのエッセンスも少し感じられて、今で言うクロスオーヴァー的なスタイルを既にこの年代でやっていたという事実がホントに素晴らしい。どーしてこんなアルバムが今廃盤なのか不思議だよなあ。

YMOの「浮気なぼくら」にゲスト参加している関係でその筋の方達とは親交が深い様だけど、氷室京介さんや布袋寅泰さんが影響を受けたアルバムとして有名らしい。なるほど、布袋さんの1stソロ作に何となく近い雰囲気を感じる部分もある様な気がする。

私が今回手に入れたのは1999年盤だけど、その後ボートラ入れてリマスター再発盤があるみたいでそっちの方は直ぐに売り切れてレア盤となってるらしい。出来れば再発して簡単に音源が手に入る様な環境にしてほしいなあ...それくらい気に入ってしまったのだけど、ビ・バップ時代の方がまともに売られていない今の状況を考えるとちょっと難しいのかな?ホントに勿体無い...


「DON'T TOUCH ME(I'M ELECTRIC)」


「FOR YOUNG MODERNS」




前回のチャカ・カーンで久々にR&B系も良いなあ...と何かに目覚めてしまったので今回もチョイス(笑)。今回はEW&Fの通産10作目のアルバム「FACES」。リリースは1980年。

この人達のボックスセット買ったお陰で色んな時代のモノが聴けて楽しいのだけど、今のトコ知名度が70年代後半から80年代前半の作品が一番聴き易いと思ってる。
年代順に聴いてると、従来のR&Bスタイルから如何に革新的な事をやってのけたグループだったんだなあ...と今の時代に後追いの私が聴いてもそう感じていて、ネイティヴな人達からすると歌詞の面でも哲学的なモノを歌ってる事からこのグループは他の人達とは何か違うと感じる事も多いと思うし。

そんな彼等がヒットを飛ばしたのは当時のディスコブームで流れていた楽曲の数々だけど、このアルバムにはその前にヒットした「FANTASY」「BOOGIE WONDERLAND」の様な有名曲は入ってないし、アルバム自体も当時の人気からするとそれほど売れなかったという話らしい(それでも全米アルバムチャート10位でゴールドディスクを獲得してるけど)。

だけど、何故かこのアルバムはアルバム全体の流れが良い為か一気に聴けてしまう。しかもリリース当時はアナログ2枚組だったので全17曲(最後のパイプオルガンはオマケの様なモノだけど)という長さでも飽きさせない作りはさすが。
ここでもデヴィッド・フォスターの力を借りて製作された方向性が活かされていて、軽快でリズミカルな楽曲の中にもメロディをしっかり聴かせる楽曲も入っており、TOTOのスティーヴ・ルカサーも参加している点も見逃せない(しかし、当時のルカサーはホントにセッションワークが多かったんだなあと思わせる)。

ダンサブルな「LET ME TALK」や「AND LOVE GOES ON」の様な楽曲も好きだけど、「YOU」や「TAKE IT TO THE SKY」の様なしっとり聴かせる楽曲の方が今の季節にぴったりだし、今の自分の好みにも合ってるかと。しかし、デヴィッド・フォスターが絡んだ楽曲は一聴だけで直ぐに分かる存在感は凄いなと(笑)。「BACK ON THE ROAD」での冒頭のギターは直ぐにルカサーだって分かるのはご愛嬌?(だってEW&Fっぽくないし)

しかし、何で売れなかったのか不思議なくらい完成度の高いアルバムだと思う。タイトルの「FACES」という意味もモーリス・ホワイトがポジティヴなメッセージを込めてるし、何のマイナスの要素がないのに...。これからの季節のドライブにぴったりのBGMなんで、今度のドライブのお供はこのアルバムかな。


「LET ME TALK」


「YOU」




私は昔から女性ボーカルには違和感は感じないので、「女性ボーカルが苦手」って話を聞くと意外な事だと思ってしまう。何がダメなのか全く分からないし、むしろ女性特有の表現力やセンスなどもあると思うし、むしろ好んで聴く事も多いくらいだ。
だから、このブログでも数ある女性ボーカルのアルバムをチョイスしてきたけど、その中でもチャカ・カーンはホントにトップクラスの実力だと思ってる。あのマドンナも「神様はずるい、彼女にあんな歌声を与えて」的な羨ましがる発言をしてるくらい、彼女の歌唱力はハンパないと思う。
そんな彼女の曲が聴きたくなったので、今日は1984年発表の5thアルバム「I FEEL FOR YOU」をチョイス。久しぶりに聴いて随分と懐かしい気分になりましたよ。

お察しの通り、私はこの年辺りから洋楽にのめり込む様になってきたので、全米3位となったタイトル曲は当時チャートをチェックして洋楽の知識を広げていたので当然無視する事なんて出来ず、「チャカチャカチャカチャカカーン~」という冒頭のラップで「何だコレは?」と驚いたモンでした。ラップが主流になる前の話だし、あのラップと打ち込み系の音が相成って、それでチャカの圧倒的な歌唱力とくれば単純にコレは凄いっ!と。すぐさまシングル盤を買いに走りましたよ。
因みに、この曲のオリジナルがプリンスで、ハーモニカをプレイしてるのがスティービー・ワンダーと知ったのはそれから結構後の話だったけど。冒頭のラップはグランドマスター・メリー・メルという人で、当時は全く知らなかったけど普通に良い声で今のラッパーよりも洗練されててカッコイイっすね。

当時はシングル盤ばかり買っててアルバムは物凄く気に入ったモノだけしか買うだけの余裕しかなかったので、毎月何枚もCD買ってる今よりも同じ音楽を何度も何度も繰り返し聴いてたから思い入れも違うのだけど、勿論この曲も私の中では当時の音楽を聴きたいと思う時には必ず入ってくるクラシックの1曲だ。

なので、アルバム丸々聴いたのはそれから数年後の市立図書館でCD借りたのが最初だった。シングルの「I FEEL FOR YOU」同様、全体的に打ち込み系の音をバックにチャカのボーカルが乗るスタイルで、従来のR&Bスタイルとは違い如何にも80年代のアルバムという空気が全体を支配している。今聴くと当時の映画のサントラに収められていても違和感が感じない作りとなっているので、あの当時を知る人には懐かしさも込み上げてくるモノかと。なので、従来の古典的なR&Bスタイルが苦手な人には意外と受け入れられる音かも知れないっすね。

また参加しているミュージシャンも前述の殿下やスティービー・ワンダーの他にも、「THROUGH THE FIRE」ではデヴィッド・フォスターを起用してAOR的な世界を演出し、そのギターではTOTOのスティーヴ・ルカサーが参加してたり、バックコーラスでは「MANIAC」でヒットを飛ばしたマイケル・センベロの名前もある。
「THROUGH THE FIRE」も、よくCMやAOR系のオムニバスアルバムで収録されているのを見掛けるくらい良い曲なんだけど、如何にもデヴィッド・フォスターだなと感じるトコが強すぎて、今ではそんなには聴かなくなっちゃったなあ。そーいや、カニエ・ウェストの名を知らしめた曲でのサンプリングにこの曲が使われてたかな?

新作の噂は全くなく、ちょこちょこ日本へ歌いに来てる印象が強いけど、そろそろビルボードやフェスだけじゃなくてちゃんとしたホール会場で演ってくださいよ。ビルボードだとチケット代が高くて手が出ません。一度は観たいミュージシャンの一人なんだけどなあ...


「I FEEL FOR YOU」


「THROUGH THE FIRE」




ここ最近やっと涼しくなってきたので、聴いてる音楽の方も少し冷たさを感じるモノを...という事で、久々にバウハウスを引っ張り出してきた。でも、今日の日中は台風過ぎ去ったお陰でめっちゃ暑かったけど(苦笑)。
そもそもゴシックを聴く時って、寒さを感じる晩秋から冬にかけてが一番ベストに感じるので夏に聴く事って意外と少ないんですよ。パラダイス・ロストも新作出たのに、季節とイメージが合わないお陰か余りピンと来ないし(というか、最近の彼等はボーカルがグロウル復活しちゃってデス風味が加算されちゃったから買う気にならないんだけど)。今の私的にはこういうニューウェイヴっぽい方が好みなのかも。
今日は、そんな彼等の3枚目のアルバム「THE SKY'S GONE OUT」をチョイス。発表は1982年。

この時期が彼等にとって人気が絶頂期だったらしいけど、バンドにとってはこの辺りからギクシャクしてきたらしいですね。しかもピーター・マーフィーはマクセルのCMにも出ていたというから驚き。YOU TUBEで探ったらあっさり出てきました(笑)。こんなモノ初めて観ましたね。



コアなファンは初期のアルバムこそがゴシック的でバンドの本質なんだろうけど、実は私はこの3rd~4thの方が好きなんだよなあ。後追いで聴いたからこういう意見なのかも知れないけど、色んなスタイルに挑戦してるのが面白いというかゴシック云々という事を抜きにしても面白い音楽演ってる感じがして、またバンドの枯れ具合も幾分感じられるトコも良いかと。何となく終わりが近付いてる雰囲気が感じられるんですよね。

ブライアン・イーノのカヴァー「THIRD UNCLE」を冒頭に持って来て意外な幕開けだけど、コレが妙にハマっていてカッコイイ。原曲を聴いた事なかったのでYOU TUBEで聴いてみたら原曲自体もガチャガチャしてて面白い曲なんだけど、それをソリッドに仕上げて切れ味抜群なスタイルのバウハウスverはもっとカッコイイ。コレはナイスなカヴァーじゃなかろうか。
「IN THE NIGHT」はニューウェイヴ全開なスタイルでそれまでの突き放した様な楽曲よりもかなり聴き易くなってるのが特徴だし、「SWING THE HEARTECHE」は何処かインダストリアルな雰囲気すら感じさせる(勿論、まだこの時代にはインダストリアルは登場してなかったけど)。
後半の組曲っぽい「THE THREE SHADOWS」Part 1~3なんかは陰鬱な雰囲気からメランコリックなメロディに乗せて朗読みたいなモノになり、最後は妙にカラッとしたイメージで終わるという、何か不思議な感覚。ラストの「EXQUISITE CORPSE」に至っては様々なスタイルの音を組み合わせて最後はレゲエタッチで終わるという更に意味不明な展開に(苦笑)。ゴシックはどうした?と言いたくなるのも分かる気がする。

ゴシックという枠から外れて新たなスタイルを模索した結果なのだろうけど、当時のファンの人達は相当戸惑ったんじゃないかと?闇の世界で怒りに満ち溢れていた音像から、いきなりレゲエスタイルの曲にイビキまで入ってるモノ聴かされた日にゃどう反応していいか分からないだろうし。
でも、こういう全く訳分からないスタイルが正直面白いと思ってる私自身はもっとおかしい??バンドに思い入れがないからこそ、そう感じるのかも知れないけど結構好きなんですよねえ、このアルバムは。


「THIRD UNCLE」


「IN THE NIGHT」