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マリリオンロスから1週間、ずっと彼等の音楽ばっか聴いてたんでそろそろ別なモノを...とチョイスしたのが同じ英国出身のフランシス・ダナリーのイット・バイツ:セルフカヴァー集「VAMPIRES」。発表は2年前の2016年。

元々このアルバムは買うつもりなかった。何故なら、幾らバンドの顔だった人のセルフカヴァー集であってもオリジナルが大好きな人間にとってはオリジナルを超える事は到底無理だと思ってたし、このセルフカヴァー集の話を初めて聞いた時は即座に「何を今更」という感覚で一杯だったし、長年過去を否定し続けた人がセルフカヴァー集を作るって事はお金に困ってるのか?とすら思ったくらいだ。

そんなアルバムを先日ディスクユニオンのセールにて未開封品が安くなってたのを機に、この金額なら買ってみようかな?と結局手を出してしまった訳だけど、結論からいうと意外と悪くないというのが本音だった。
過去3枚のアルバムがどれも大好きで、30年以上経ってる今でも未だに聴いてる始末なんでちょっと斜に構えてた部分もあったと思うけど、もし今現在もオリジナルメンバーのバンドが存在していたのならこういう音になってたのかな?と思わせる部分が非常に感じられて興味深かった。

他のバンドがこういったセルフカヴァー集をリリースした時に感じられる”当時とは違う、落ち着き払った演奏”というモノをこのアルバムでも十分に感じられるんだけど、それはフランシス自身のボーカルスタイルや演奏もそうだし、オリジナルメンバーではなく外部のプレイヤーがプレイしている事もあって音や演奏が違うのが大きな要因かと。特にジョン・ベックが担ってたキーボードの音が派手で装飾過多だった80年代当時の音とは全然違う、むしろ逆に地味に抑えた演奏が印象を大分変えている感じだ。この辺が今回のアルバム作りのポイントだったらしく、エコライザーやエフェクトに頼らないで大きな音で聴いてもストレスを感じない自然な音作りを心掛けたという。ここが従来のファンの評価の分かれ目だと思うので、バンドに思い入れの無い人にはこのアルバムの方が好きなのかも知れないかな?

また演奏自体も当時の楽曲そのままプレイしている訳ではなく、ちょこっとアレンジを変えたり歌詞を付け足したりと少し工夫が施されているのが新鮮に聴こえる。「THE OLD MAN AND THE ANGEL」や「NEVER GO TO HEAVEN」なんかはライブ時のアレンジを加えたモノになっているし、「ROSE MARIE」や「STILL TOO YOUNG TO REMEMBER」なんかは若干違うフレーズを加えている。
インタビューでは「過去の未完成な部分を完結させて次に進みたいと思った」なんて語ってるけど、幾ら何でもそれを約30年後にやる事はないんじゃないかと(苦笑)。
またバンド時代には完成されてたけどそのまま封印されてた「FEELS LIKE SUMMERTIME」が今回ようやく初お目見えになったのは素直に嬉しい。何時だったかフランシスのHPで無料ダウンロードされてたのを聴いて気になってたはいたのだけど、当時のアルバムには余りフィットする感じではなかったから未発表になってしまうのも無理はないかと思ったけど、こうして改めて聴くとリラックスして聴くには最適な楽曲で気に入りましたね。

選曲に関しては大体の楽曲が網羅されているけど、個人的に好きな「LEAVING WITHOUT YOU」と「BLACK DECEMBER」があれば良かったのにと思う。両方共ライブのアレンジが結構好きなんで、あのアレンジのままで音源残してくれれば...と思うと残念だ。
では今回のアルバムで何がお気に入りか?というと、こういうのが一番難しい(苦笑)。どれも好きな楽曲なんで甲乙付けられないのだ。強いてあげれば大作の「ONCE AROUND THE WORLD」や「THE OLD MAN AND THE ANGEL」、「STILL TOO YOUNG TO REMEMBER」や「NEVER GO TO HEAVEN」辺りはオリジナル同様に今回のプレイも結構好きだ。

さあ、もうコレで完全にバンドの呪縛から解かれた彼が次は何処へ向かおうとしてるのか?が次の興味の対象となる訳だけど、従来のアコースティック路線も結構頭打ちみたいなので、普通にロック作品へ戻ってきてくれるのを期待してるんだけど、この人はホントにファンの思惑から外れる事を平気でやるので(苦笑)少し不安でもあったりするのだけど...


「FEELS LIKE SUMMERTIME」(途中から)


「ONCE AROUND THE WORLD」
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前回の来日から実に27年振りという、全くもって奇跡としか言い様のないフランシス・ダナリーが今月上旬に来日公演を行なった。
私はイット・バイツの2ndアルバム「ONCE AROUND THE WORLD」で彼の存在を知って以来ずっと彼の動向を追って来たけど、途中で彼自身が何を目指しているのか分からなくなり、ちょっと付いて行けないな...と思ってた矢先にいきなりの来日公演。そりゃ、待ち続けた人なんで是非ライブに...と思ってたけど、仕事のタイミングもあって残念ながら行けなかった。

まあ、今回は彼自身が復活をアピールするが如くイット・バイツのセルフカヴァー集「VAMPIRES」を引っ提げての来日なんで、当然ライブもイット・バイツの曲のみ(アコースティックライブではソロ曲も演奏したらしいけど)。数年前に現在のイット・バイツのライブを観た時に「感心はしたけど感動がない」とコメントしたけど、それは多分今回のフランシスのソロ公演でも同じ気分を味わったと思う。それは「VAMPIRES」の演奏を聴けば分かるけど、当時よりもかなり落ち着いた雰囲気で演奏されていて、やはり時は戻らないモノなんだなと実感した様な印象があったからだ。

今回チョイスした「RETURN TO THE WILD COUNTRY」も彼の1stソロ作のセルフリメイク集なのだけど、フランシス自身は当時アル中+ヤク中だったらしく、アルバム自体をどうやって作った事さえ覚えてないらしい。それでもあんなアルバム作ってしまうんだから非凡過ぎるだろ。
今回の来日に併せて3枚のアルバムが国内盤でリリースされたけど(「VAMPIRES」「RERETURN TO THE WILD COUNTRY」「FRANKENSTIN MONSTERS」)迷わずこのアルバムが一番興味あった。作った事すら記憶にないアルバムが今のフランシス自身どの様に感じてるのか興味あったからだ。

聴いてみて思ったのは「VAMPIRES」ほどレイドバックしてないという事。確かにオリジナル盤と比べるとスピード感や演奏の切れが大分後退してるけど、それを補うか如くアレンジで上手く聴かせる方向に持ってきてると思った。「DRIVING IN THE RAIN」や「ALL EVER WANTED WAS YOU」なんかは特に顕著かと。
あと、曲の良さを改めて感じたな。当時はイット・バイツ解散後という事もあって、バンドの幻影を追ってたお陰でこんなにもドライなアルバム作っちゃったんだと少し寂しくなった記憶があるけど、こうして時が経って改めて聴いてみると、それまでオリジナルで馴染んでた曲が更に魅力的に聴こえるのは何とも不思議な感覚を覚えた。それはイット・バイツほどの思い入れがなかったからかも知れないけど。

フランシスが今回の来日でかなり気を良くしていたみたいなので、また是非ともアルバム作ってライブをやってほしい。今の彼にはもうイット・バイツは必要ないと思うし、ソロで自分のやりたい音楽を追及した方が彼の音楽の魅力が増すと思うし。ただ、プログレ関係のミュージシャンを集めてスーパーグループを作りたいともインタビューで言ってたけど、こういうのはどーなんだろう?興味と不安が半々なんだけど...


「WELCOME TO THE WILD COUNTRY」(ORIGINAL)


「JACKAL IN YOUR MIND」(ORIGINAL)

Frankenstein MonsterFrankenstein Monster
(2013/11/26)
Francis Dunnery

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しかし、飛んだ事になってしまった...
先日の水曜の夜に、結構贔屓にしているとあるネットショップで中古CD3枚を注文したんだけど、金曜夜にちょっと用事があってウチにいなかったので土日配達の午前中に指定したのは良いものの、配達が遅れに遅れて土曜夜に「本日配達しました」のメールが。
お陰で来週土曜に届く羽目になってしまい、その来週土曜日は出勤日...しかも翌日日曜日は野暮用でイクスピアリに行かねばならなくなって、てめーどーしてくれるんだ?状態。
まあ明日あたりには郵便局には届いているんだろうから、問い合わせ番号を照会して荷物取りに行けば良いのだけど、面倒な事この上ない。計算が仇になるのはちと痛いなあ。しかも休日にのんびり聴こうと思ってたのに、思いっ切り潰してくれやがって...
まあ、聴くモノに関しては他に色々購入したのがあるんでまだ良いけど、「今日はコレ聴こう」と思っていたのがスタイルの違うモノに変わると気分も変わっちゃうのが何だかなあ~って感じ。まあ、気分変えていくしかないけど。

そんな訳で、今日のお題は先日購入した元イット・バイツのフロントマンだったフランシス・ダナリーの久々の新作「FRANKENSTEIN MONSTER」をチョイス。

前々作の製作時に語ってた”ニュープログレッシヴ・プロジェクト”なる作品は、結局ハッタリも良いトコでプログレでも何でもない、単に新曲半分+自身のセルフカヴァー+他ミュージシャンのカヴァーという構成で、先のインタビューの内容とは全然違うモノとなってしまい、幾ら彼のファンでもこういうナメた真似はしてほしくなかった...というのが本音のトコだ。YOU TUBEで数曲試聴しただけで騙された気分になり、購入には至らなかった。

それで彼に対する興味はほぼ削がれてしまった訳で、今回新作が発表されると旨を聞いて殆ど期待はしてなかったのだけど、前作みたいにアコギ主体の作品ではなく久々にロックに戻ってきたという触れ込みだったので、まずは彼のオフィシャルサイトにて「FRANKENSTEIN MONSTER」のPVを観てみた。
確かに地味ながらもロックに回帰しており、しかもギターまで弾きまくってるではないか?曲自体は如何にもフランシスが作りそうな中期ソロ作あたりに近い雰囲気だったので、これはもしかして...と思い、今回は買ってみたのだ。

しかし購入したCDの中身を見ると、いきなり数年前に亡くなったフランシスの実兄で、ブラック・サバスをクビになった頃のオジー・オズボーンと一時期組んでいたという話の(オジー側からは全く聞かない話ではあるので詳細は分からないけど)バズ・ダナリーに捧ぐ的な事が書かれてる。
これまでフランシスは数多くのアルバムをリリースしているのに、イット・バイツ時代のライナーノーツには何度も名前が出ている、プロのミュージシャンであるバズと組まないのも何か変な話だよな...とは常々思っていたけど、亡くなって改めて取り上げたくなったのか?と思っていたら、何と今回のアルバムはそのバズが組んでいたバンド(NECROMANDUSという名前で、あのトニー・アイオミがプロデュースを担当したという話)のカヴァー集だったという事が判明。しかも、フランシスの純粋なる新曲はたった2曲という話...この野郎、またやりやがったな!(苦笑)
まあ国内盤リリースの予定は全くない人なので、詳細が伝わりにくいのが仕方ないんだけど、純粋なる新作を期待した人にとってはどーなんだろうか?(←私の事です)

確かに全曲聴いてみると、これまでのソロ作とは随分違う印象で、新曲以外の楽曲は昔ながらのロックバンドのイメージに近い。曲によってはヘヴィなリフもあるので、こういう楽曲をフランシスが演奏するのは非常に珍しいかと(そのお陰かどーか分からないけど、PVではリッケンバッカーを使ってるのが結構意外だった)。
アレンジを変えてるのか原曲そのままなのか分からないけど、ちょっとジャズっぽい雰囲気があったり、オルタナっぽい感覚があったりして、コロコロと雰囲気が変わるのは「FEARLESS」に近いかも(音楽性は別として)。

前作ではR&Bに行ったりして、ホントに何がやりたいんだ?と問いたくなる時期もあるけど(笑)まあイット・バイツという枠に捉われないスタイルを望んだ以上、こうやって好き勝手に活動していく方が今の彼には合ってるんでしょう。とりあえず今回はオーソドックスなロックに回帰しただけでも良しとしましょう。


「FRANKENSTEIN MONSTER」PV↓
http://www.youtube.com/watch?v=wRjpTlkmv5w

Lets Go Do What HappensLets Go Do What Happens
(2004/03/09)
Francis Dunnery

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年明けにいきなりの悲報で少しショックを受けている。
昨年の初夏あたりに報じられていたけど、元ジャパンのミック・カーンが癌で苦しんでるとの事で、日本で彼にゆかりのあるミュージシャン達が治療費目的のチャリティーイベントやCD製作をしていたのは知っていたけど、残念ながらその甲斐虚しく1月4日に永眠されたとの事。
私も年末年始に結構ジャパン関係を聴いていて(レビューでも2枚書いてるし)、実はその4日には偶然にもOIL ON CANVASのDVDを観ていたりする。しかも、元旦にアウトレットのセールに行った際、店内放送で「GENTLEMAN TAKE POLAROIDS」が掛かって珍しいなあ...と思ってた矢先。何か、偶然にしちゃあ予兆が多過ぎ。末期癌だったというのは報じられていたので、いつかこの日が来てしまうんだろうなあ...と思ってたけど、その時が来るとやはり残念でならない。
シンプルながらも個性的な音で存在感を出すベーシストは、ビリー・シーンみたいな音数が多いタイプとは真逆だけど、その”間”を上手く使えるセンスはなかなか真似出来ないと思う。また彼は音楽的な教養は全く皆無で、譜面が読めなくてもあれだけの事をやってのけるはホントに才能なんだなと思う(確かプリンスも譜面読めないと言ってた様な)。謹んで彼のご冥福をお祈りします。


さて、今回のお題は久々にフランシス・ダナリーの4thアルバム「LETS GO DO WHAT HAPPENS」。
先日のデヴィッド・シルヴィアンのアルバムを聴いていて、ジャズっぽい雰囲気の楽曲がなかなか心地良かったので、それに似た雰囲気のモノはないか?と探ってたら、このアルバムにも「RIDING ON THE BACK」が近い感じだったので久々に取り出した(まあ、こっちの方はシルヴィアンの楽曲よりももっと聴き易いけど)。本格的なジャズは今は聴かなくても良いと思ってるけど、こういう軽いノリで聴けるのは少し斬新で少し刺激的でもあるから面白いと思う。

ジャズっぽい雰囲気のはこの1曲だけで、他の曲は普通に従来のフランシスの路線だけど、前作「TAL BLONDE HELICOPTER」のアコースティックを基調とした路線はここでは2~3曲程度に抑えられ、普通のロックのスタイルに戻っている。
しかし、ただでは戻ってこないのはこの人の面白いトコで、このアルバムに路線が一番近いであろう2nd「FEARLESS」とはまた違った世界観があるのも特出すべきトコかと。全体的にシャープで洗練された音だけど、如何せん地味かな?

このアルバム以降、ロックっぽいアプローチから徐々にシンプルなスタイルに移行していくけど、たまにはこういうアルバムも作ってくれないかな...と切に願う。まだまだやれるのに、何か勿体無いんだよなあ...


「MY OWN REALITY」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=aWgoODettps

「RIDING ON THE BACK」ライブ↓
http://www.youtube.com/watch?v=LIy07tv9Px0&feature=related

Tall Blonde HelicopterTall Blonde Helicopter
(1995/09/05)
Francis Dunnery

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しかし、約19年振りの復活作を引っ提げ、1日だけの来日公演も行われるとはこのバンドに対して全く希望も予想も無かったので、正に奇跡としか言い様がなかったイット・バイツ。
umeさんがライブを観て「一生付いていく事に決めました」と語ったくらいなので、今更ながらライブ盤をHMVで注文してしまった私であるけど、そんなバンド復活を横目にこの人は一体どんな心境なのか...バンドの核でもあったフランシス・ダナリー。

イット・バイツの復活をアピールしたのが2003年。バンドが新作を発表したのが今年だから約5~6年のインターバルがあったのにも関わらず、何故この間に何も残せなかったのか?私が思うにフランシスはもうバンドとして楽曲を書く事自体興味が無かったのではないか?と思う。そりゃ、こんだけ待たされればボブ・ダルトンだって怒りますがな。

出る前からかなり注目していたフランシスの新作が最近リリースされたみたいで、オフィシャルHPを覗くと過去のバンドの楽曲を数曲収録されており、以前インタビューで語ってた通り”再構築”したモノである事は明らか。残念ながら噂されていたマリリオンのスティーヴ・ロザリーやジョン・ウェットンの参加は見送られたらしいけど(涙)、現イット・バイツのフロントマン、ジョン・ミッチェルは参加した模様で(しかし、バンドの楽曲で参加させなかったのはフランシスの意地か?/笑)どの様にアレンジしたのか見物である。

さて、そんなフランシスの1995年発表の3rdアルバム「TALL BLONDE HELICOPTER」。
前作で大手アトランティックレーベルとの契約が成立して発表されたものの、成績は著しくなくて起死回生を図った今作、前作とは打って変わってアコースティックを基調としたスタイルで、メロディも前作ほど弱くなくイット・バイツ時代を感じさせるモノもあるくらいで、最初聴いた時はそれまでのソロのアルバムの中では一番の出来だと思った。

しかし、歌詞がちょっと独り善がりのトコがあって、この部分がフランシスの一番の弱点なんだと思う。バンド時代にも物事を遠回しに表現する傾向があって、何を伝えたいのかがさっぱり分からないといった感じなのだ。もっとストレートで良いの思うのだけど、これってフランシスの英国人気質ってヤツなのだろうか?お陰で、このアルバムを最後にアトランティックとは契約を打ち切られてしまう。

昨年だったか、英国のみでこのアルバムのツアーを行ったらしいけど、何故今更10年以上も前に出たアルバムのツアー?ホントに何を考えてるのか、ファンであってもよく分からない人だと思う。

「TOO MUCH SATURN」弾き語りライブ↓
http://www.youtube.com/watch?v=d5zyNkICCOM

「ONLY NEW YORK GOING ON」ライブ↓
http://www.youtube.com/watch?v=xWWDMgid6sc&feature=related