前回のブルース・ボーンズビー&ザ・レンジを聴いてたら久々にこのアルバムも聴きたくなったんで今回はこのアルバムをチョイス。ジョン・クーガー・メレンキャンプの「BIG DADDY」。発表は1989年。

私的にはジョン・メレンキャンプといえば「SCARECROW」「THE LONESOME JUBILEE」の2枚がメインで聴くモノなのだけど、このアルバムを聴いた時はかなり地味に落ち着いちゃったなあ~と寂しく感じられたモノだった。
シングルヒットも飛ばし、アルバムも大ヒットしてたのにも関わらず新作がこれほど地味なモノだったから、自分自身が本当に納得のいくアルバムを作った方が良いという結論に到ったんだろうけど、それでも当時は全然納得いかなかった。

ブルース・スプリングスティーンもこの時期に2枚同時発売のアルバム作ったモノはかなり落ち着いた作品だったけど、音楽業界が商業的に成功していた80年代から90年代に向かう時期に、アメリカンロックを代表する2人がこの様なスタイルを提示したという事は間違いなく音楽シーンの過度期にあったんだろうなと思う。

このアルバムは、前作でもちょっと感じた”中年期の危機”みたいな感覚がより強く反映された内容で、いつまでも若いままではいられなく自分は子供達にとってどんな父親なんだ?とか、いつか子供達が自分を必要としなくなる日が訪れるんじゃないか?といった様な自身の内省的なモノが綴られている。
このアルバムがリリースされた時、私は20歳前だったと記憶してるけど、そういう時期にこういった内容のモノを聴かされてもピンと来ないのは当たり前な話で、前作辺りはまだ許容範囲だったけどこの作品はパーソナル過ぎてついていけないと感じた。

なので、私自身は余り評価は高くないのだけど、4曲目の「THEO AND WEIRD HENRY」だけは何故か大好きで、当時「元気の出るテレビ」でのBGMでよく使われてたのを思い出す。歌詞がアルバムに載せてないのでどんな内容なのか分からないけど、この曲だけは未だに好きだなあ。

アルバム自体に歌詞を載せてないのはミュージシャンの意向と書かれているけど、英語を母国語とする国ならともかくそれ以外の地域ではやはり内容も知りたいトコなんだよねえ。それを含めてミュージシャンの意図というモノも理解出来ると思うし。歌詞を載せないという事は、やはりこのアルバム自体パーソナルなモノだという意味でもあるんだろうけど...

このアルバム以降、売れる事よりも自身の納得のいくスタイルを追求するかの如く、デビュー時に”売れる為”に付けられたCOUGERの名前を外してジョン・メレンキャンプ名義になったのは有名な話で、次作も当時CD買ったけどもう私が望むモノが無くなってしまったな...という事で、彼を追う事はなくなってしまった。
未だに新作をリリースし続けているのは自身の信念の元に活動出来ている事の証なんだろうけど、本人にとっては十分なくらいに幸せな事なんだろうなあ...と久々にこのアルバムを聴いて思った。


「TO LIVE」


「THEO AND WEIRD HENRY」
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スケアクロウスケアクロウ
(2006/10/18)
ジョン・クーガー・メレンキャンプ

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ホントに今週は80’sばっか聴いているな...(苦笑)

ヒューイ・ルイスの様な派手で典型的なアメリカンロックも良いけど、一方でルーツに根ざしたシンプルなアメリカンロックをやらせたら天下一品のジョン・クーガー・メレンキャンプ。
私はこのアルバムで彼を知ったのだけど、当時の派手な装飾に飾られたゴテゴテのサウンドが主流だった時代に、ここまで無駄な音を省いてシンプルな泥臭い音でアルバムを作り、それがチャートを駆け上がっているサマを目にして、アメリカの奥深さを感じたモノだった。

まず、ジャケットが良い写真を使っている。モノクロのジョンが農地で思慮深そうにうつむいているだけのモノだけど、このアルバムを見事に表わしている。大好きなジャケットで、当時はアナログジャケを部屋に飾っていたなあ。
そして、この人を語るに絶対に外せないのが歌詞。このアルバムでは間違いなく「SMALL TOWN」でしょう。

俺は小さな町で生まれた
そして、そこに住んでいる
そして、そこで死ぬんだろう

俺は自分が何処から来たのか忘れない
俺は自分を愛してくれた人々を忘れない
この小さな町じゃ、俺は自分自身でいられる
それに、俺の好きな様にやっていける

大都市に住んでる人には絶対に書けない歌詞だし、またジョン自身が自分の立ち位置を絶対に忘れないという強い意志すら感じる。
以前レビューした「THE LONESOME JUBILEE」では、ちょっと大人目線になった歌詞が特徴だったけど、このアルバムではまだ自身の若さからくる”痛み”みたいなモノが見えて、この人は自分に嘘をつけない真っ直ぐな人なんだな...と思ったくらいだ。

私はこのアルバムを聴くと、映画「アウトサイダー」の世界観を思い出す。田舎町で仲間達とツルんで、色んな事で悩み、そして成長するというあの世界。多分、ジョンも10代の頃はこんな生活してたんだろうと思わせるほどリアルにリンクするのが面白い。

しかし、当時30代前半で「BETWEEN A LAUGH AND A TEAR」でのリッキー・リー・ジョーンズとのデュエットで、あそこまでの枯れたロックを聴かせるのは並大抵の事じゃ出来ないよなあ...恐れ入りました。

「SMALLTOWN」クリップ↓
http://www.youtube.com/watch?v=3eDkAG3R0h8

ロンサム・ジュビリーロンサム・ジュビリー
(1993/09/05)
ジョン・クーガー・メレンキャンプ

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先週、今週と友人達と過ごす時間があって、ふと共通する事柄があった。
一人は高校時代からの、もう一人も知り合って15年近くツルんでる友人なのだけど、共に同世代。考える事も似た様な事が多く、昔じゃ考えられないシリアスな話をする様になった...と最近思う。
仕事の問題や生活の問題など、皆それぞれ悩みは様々で、私も人生(と書くとオーバーだけど)について色々考える事が多くなった気がする。

それでふと思い出したのが、ジョン・クーガー・メレンキャンプのこのアルバム「ロンサム・ジュビリー」(発表は1987年。タイトルが長過ぎて、年代表記が入らなかった.../苦笑)。
ライナーノーツにも書かれてる話で、このアルバムを作ってた頃のジョン・クーガーが正に今の私の年齢。地位も生活も全然違う相手に思う事が一緒か?と聞かれると当然違う訳だけど(笑)考えている事が似た様な事が多い...というのは、この歳になると皆通る道なのだろうか?

この先、世の中がどーなってしまうのだろう?という不安、平凡な生活を送る事が幸せと思い込みそれこそが人生だと思う事、過去の楽しかった事を振り返り今の生活と比べて懐かしむ事、ギリギリの生活で愛する者の心を満たす事が出来ない自分へのもどかしさ...など、若かりし頃の当時の私じゃちょっと理解出来なかった事が、今このアルバムの歌詞を読むと共感出来る事が多いのにビックリ。

「リアル・ライフ」という曲の歌詞で、

おそらく、年齢や何歳まで生きるかなんて事はどーでもいい事だと思う。
自分の人生をどう生きたか?そして自分の運命とどう取り組むか?という事が肝心なんだ、と。
だけど、ある年齢になると何かが起こるんだ、特に心が若いヤツに...

と歌っているけど、この心境は今の私にホントに染みるんだよなあ。コレを「切ない」と取るか「バネ」にするかは人それぞれだと思うけど、因みに私はバネにしたいトコです。