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先日もちょっと書いたけど、ホントにHM系のアルバムを聴く事がめっきり減ってしまった。他に聴くモノが増えた事もあるし、単純に自分の好みが変わってきてるのかも知れないけど、以前ほどヘヴィでうるさい音楽を手に取る事が少ないのは自分でも不思議な気分かと。

なので、ウチにあるCDでヘヴィなモノを久々に色々聴いてたら最終的にここまで行き着いてしまいました。デヴィン・タウンゼンド率いるストラッピング・ヤング・ラッドのデビューアルバム「HEAVY AS A REALLY HEAVY THING」(邦題:超怒急怒涛重低爆音)を今回はチョイス。発表は1995年。

このアルバムを知ったのは...というよりはデヴィン・タウンゼンドを知ったのはこのアルバムから2年前のスティーヴ・ヴァイのバンド名義であるヴァイのアルバムでボーカルを務めた時だったのだけど、全くの無名で若いながらもここまでの強烈な個性を発揮しているミュージシャンも珍しいなあ~と関心し、しかもヴァイを始めT.M.スティーヴンスやテリー・ボジオといった一癖あるミュージシャン達と互角に渡り合ってるどころか、ギタリストの腕も確かなモノで他のメンツを食ってしまうパフォーマンスも当時ライブを観て驚いたくらいだった。

そのデヴィンが当時のインタビューにて「ヴァイで演ってる音楽と自分の演ってる音楽は全くの別モノで、その音楽性のギャップに相当苦しんでる」という主旨の発言をしてたのだけど、当時は本当に嫌気が差してたみたいで、周りにいた友人達がヴァイに参加した事で「セルアウトしやがって」といって離れていってしまい、それがデヴィン自身の心に相当堪えて重度の鬱状態になったと。原因となったヴァイ自身とも暫く不仲だったらしいけど(というよりはデヴィン側からの一方的な嫌悪感だったみたいだけど)現在はライブで共演出来るほどに回復したらしい。

そのヴァイのツアーで知り合ったザ・ワイルドハーツに助っ人としてツアーに参加したのを挟んで、ようやくS.Y.L.としてアルバムを完成させたけど、最初聴いた時はホントに驚いた。ヘヴィだという情報はインタビューで先に知ってたけど、それに加えてのインダストリアルスタイルだったとは思わなかったし。もっと普通のHMスタイルだと思ってたから、聴いた時は驚いたと同時にインダストリアル好きな私には嬉しくなったけど。

プロデュースがデヴィン本人なので最初っからこういう音作りにしたいという構想はあったのだろうけど、ここまで音を詰め込んでアグレッシヴに畳み掛ける構成はウォール・オブ・サウンドどころの話じゃないぞ...と(笑)。まあ、それは次作「CITY」で更に極めるのだけど、デビューアルバムとしては冒頭の「S.Y.L.」「IN THE RAINY SEASON」だけで掴みはOK!状態だったと思う。

惜しむトコは楽曲のクオリティに波がある事。パンテラをモチーフにしたであろう「CRITIC」もカッコイイんだけど元ネタがバレバレだし、インダストリアル系によくありがちな無機質なリズムを延々繰り返すスタイルの「THE FILLER-SWEET CITY JESUS」もちょっと退屈。まあ延々同じ様な楽曲で終わる構成にはしたくなかったんだろうなあという意図が見える気がするけど。
日本盤にはボーナストラックでジューダス・プリーストの「EXCITER」のカヴァーが収録されているんだけど、これが眉唾モノの出来で非常にカッコイイ!擬似ライブを演出してるトコも面白い。

この後デヴィンはオーシャンマシーン名義でプログレ風味のHMを演ったり、当時のメロコア勢をおちょくったパンキー・ブリュスター名義で偽物パンク(笑)を演ったりと、色んなスタイルで自身の音楽を楽しんでキャリアを築くのだけど、現在は個人名義に絞って独自の路線を貫いている。

残念ながらこのS.Y.L.もデヴィン自身が「怒りの矛先が見えなくなった」とかで結局解散してしまうのだけど、私的にはインダストリアル風味が強くなって更に音の密度が濃くなった次作までがベストで3rdアルバムで落胆させられたのが残念だったな。久々に聴いて、ここまで聴き手に好き嫌いをはっきりさせるバンドも珍しいな...と改めて思った次第だ。


「S.Y.L.」


「IN THE RAINY SEASON」
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歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音
(1997/11/21)
ストラッピング・ヤング・ラッド

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私が今まで聴いてきた音楽の中で、これ以上ない激しい音楽は何だろうか?と問われると、間違いなく筆頭に挙げるのがデヴィン・タウンゼント率いるストラッピング・ヤング・ラッド(以下SYL)の「CITY」(邦題:歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音)だ。
このアルバムよりも激しい音楽は幾らでもあると思うけど、私自身が耐えうる音楽の基準としてはコレを超えるモノは今のトコ出て来ていない。

VAIの「SEX & RELIGION」で表舞台に現れて以来、様々なタイプのプロジェクトで様々なタイプの音楽を創ってきたデヴィンだけど、このアルバムで自身の音楽の一つの完成系を見た気がする。
本人が「VAIの音楽とは全く別の次元にいる」と言いつつも、その枠だけに収まらない存在感はただ者ではないし、当時のメロコアバンドをコケにしたパンキー・ブリュスターでも「直ぐに作り終えた」と言いつつもめちゃくちゃカッコ良かったり、そのパンキー・ブリュスターとほぼ同時期に作ったオーシャン・マシーンでは一転してメロディアスで少しプログレ掛かった音には、とてもこれらのアルバムを同じ人物が作りあげたとは思えない程、懐の深さを見せつけてくれた。

そしてSYL。デヴィン自身の激情を叩き付けるだけのバンド...と思われがちだけど、その激情以上に作り込まれた音が凄い。発表当時、誰もが口を揃えて言った言葉「一体どんなミキシングをしてるんだ?」
ホントにそう思う(笑)。音の塊...とはこういう事を言うんじゃないかと思う。それでいて、聴き込むと音がきちんと分離されているのである。並の精神じゃこんなモノ作れないんじゃないかな?
そして、そのデヴィンの激情も勿論激しい。1stアルバムではインダストリアル的な音だったので、その機械音の向こう側にいる様な感じだったけど、このアルバムでははっきり主張しているし、その倍以上の迫力を聴かせてくれる。

ワイルドハーツとのカップリングのライブを観たのだけど、ライブではアルバム以上の迫力で、勿論デヴィンも凄いのだけど、それ以上に目を惹くのがジーン・ホグランのドラム。身体を激しく動かすのではなく、姿勢良く座ってるだけにしか見えないのに(爆)手と足は激しく早い。あんなドラマーは今までには観た事なかったな。

デヴィンはこの後、またもや様々なプロジェクトやSYLのアルバムを発表していくのだけど、SYLに関しては今のところコレが代表作だと思う。