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明けました。今年も宜しくです。
さて新年初めの1枚は、亡くなられて既に8年近く経って昨年トリビュートアルバムも発表されたゲイリー・ムーアの「AFTER HOURS」をチョイス。リリースは1992年。

ハードロックからブルーズロックに転身を図った前作「STILL GOT THE BLUES」が大ヒットしたお陰で、これに味を占めた御大が(笑)更にこの路線を推し進めたのがこのアルバムで、私はこれを最初に聴いた時は「ああ、もう御大はこれでハードロックには戻って来ないんだろうな」という寂しさを感じたモノだった。
そもそも前作がリリースされる前のインタビューでは「新作はあくまでも自分の楽しみで作ったモノだから...」と強調してたので1枚限りの企画モノかと思いきや、売れちゃったお陰でこの路線でイケるのかと調子こいちゃったんで(苦笑)ハードロック時代のファンとしては「そりゃねーよ」となるのは仕方ないかと。

でもまあ、御大もこのアルバムの時は40歳という事もあって、その時点でキャリアも既に長かったから今後の音楽性を模索するにはちょうど良かったのではなかろうか。いつまでもハードロックを続けられると思わなかっただろうし、売れない路線よりも自分のルーツに根差した音楽性で売れるならブルーズロック路線移行するのもアリじゃないかと思ったんだろうし。

前作では、タイトル曲に代表される様に御大のギタープレイも最大に活かされていて、ブルーズロックに詳しくなくとも聴き手を捻じ伏せる様な魅力に溢れた感じだったけど、このアルバムでは思ったよりそこまでの求心力は感じられない。だけど、前作にはなかったホーンセクションや女性コーラスなど様々なアレンジが施されているので、全体的な完成度は前作以上でこのテの路線が好きな人には堪らない作品かと。

私は聴いた時20代前半だったので、ブルーズロックに対する理解がそれほどある訳ではなかったけど、ギタープレイが相変わらず凄いので意外とすんなり受け入れられた。ただ、普段HR/HMを聴いてる人がこのアルバムにも手を出すというのも何か変な感覚で(笑)若造が調子こいて渋いロック聴いて悦に浸ってる的なモノもあったと思う。「STILL GOT THE BLUES」なんかそうだけど、あの曲を20歳そこそこの小僧が聴いてるのも傍から見て変な感じでしょ(苦笑)。どう考えても酸いも甘いも噛み分けた渋い大人が聴いてハマる様な音楽だし。

お気に入りは「STORY OF THE BLUES」や「SEPARATE WAYS」、「NOTHING'S THE SAME」などのバラードは相変わらず絶品だし、豪快なブルーズロックの「COLD DAY IN HELL」や「ALL TIME LOW」、枯れた雰囲気の「JUMPIN' AT SHADOW」が素晴らしい。

後にブルーズアルバムを連発する事になり、途中テクノロジーに触発されてデジタルとロックの融合路線に変えて、晩年はハードロックに回帰する様な発言をして実際に数曲作ってた矢先に急逝してしまったのはホントに残念だったけど、そのハードロック路線もまた封印して最後はやっぱこの路線で締め括りたかったのかな?とは思う。この音なら歳を取っても十分に説得力はあっただろうし、老人になった御大のプレイも聴いてみたかったな...と思うとホントに惜しい人を亡くしたと今更ながらに思う訳ですよ。


「STORY OF THE BLUES」


「ALL TIME LOW」
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前回のブラック・サバスと同時に頼んだのが、今は亡きゲイリー・ムーアの「WILD FRONTIER」ツアーでの、1987年4月25日のスウェーデン・ストックホルム公演模様を収めたブート「SWEDISH FRONTIER」。
この時の模様は、当時のオフィシャルでリリースされたビデオと同じ公演で、そのビデオがDVD化されると数年前からアナウンスがあってからというものずっと待ってたのだけど、結局怪しいレーベルがビデオから起こした映像的にも音質的にもクオリティの低いブツだった事もあって非常にがっかりしたのだけど、結局オフィシャルからきちんとしたカタチでリリースされないのだろうか?
あのビデオテープ、未だに持ってるけど(残念ながら観る環境が無いので観られないけど)リアルタイムで観られなかった私としては、当時のHR路線を突っ走るゲイリー御大の熱いライブを記録した、歴史的にも非常に価値のあるモノなので一刻も早くリリースして欲しいモノなんだけど...

「WILD FRONTIER」という作品自体が彼の最高傑作だと信じて疑わない私にとって、リマスター盤も納得のいく代物ではなかった。マスター自体が劣化してるのかよく分からないけど、楽曲によっては音圧がバラバラで「THUNDER RISING」なんかかなり低い音圧で正直びっくりしたくらい。アルバムが素晴らしいだけに、こういう聴いててストレスを感じるモノを正規でリリースしてしまうのもどーなんだろう?と疑問を感じるけど。

ともかく、この時期のライブはビデオで観てた記憶もあって御大の激しくも荒々しいプレイが堪能出来るので、この時期のライブは正直オフィシャルリリースがなかなか期待出来ない状況なので、ブートでも探してみようと思い、このCDを買った訳だ。CD-Rなのが気に入らないけど。

CD3枚組で、うち2枚はオーディエンス録音のライブ丸ごと収めた音源で、オーディエンス録音にしてはまあまあ...ってな程度のモノ。曲の途中でぶっつり音が切れるトコも生々しく収録されてるので、如何にもブートだなと(苦笑)。ビデオには収録されてなかった「SHAPES OF THINGS」「MURDER IN THE SKY」「VICTIMS OF THE FUTURE」「WISHING WELL」が聴けるのは嬉しい。

で、3枚目にビデオと全く同じ曲順で収録されたステレオライン音源のモノ。ビデオと同じ音ではないみたいで、この音が非常にクリアで、これだけの為に買って損はないクオリティだった。丁寧に編集しなおせば普通にオフィシャルで発売されてもおかしくないブツかと。
ただ、オーディエンス録音の方のライブ冒頭での「JOHNNY BOY」のインストから「OVER THE HILLS AND FAR AWAY」に雪崩れ込む部分が非常にカッコイイので、ステレオライン録音にはこれが入ってないのが残念。

ライブに関してはもう文句無しですね~。御大の貫禄あるプレイがクリアな音で聴けるだけホントに十分です。「EMPTY ROOMS」の前にプレイされるインストの「SO FAR AWAY」が、幻想的な雰囲気で「EMPTY ROOMS」を盛り上げるのに一役買ってる感じで素晴らしく、またスタジオ版よりもスピード感が増した「OUT IN THE FIELDS」も非常にカッコイイ。
だけど、一番の聴き所はやはり「THE LONER」でしょう。イントロや中盤の一部がエディットされてるみたいだけど、それでも15分近くあるプレイは聴き応え満点。

叶わぬ夢と化してしまったゲイリー御大のHR回帰路線だけど、こうして全盛期のライブがブートでありながらも聴けるのはホントに嬉しい限り。ブートに理解のない方にはお薦め出来ないけど、前回も書いた様にオフィシャルリリースが期待出来ないモノに関しては、ブートでも必要悪だと感じてる私は十分堪能出来ました。

「WILD FRONTIER」


「THE LONER」

ディファレント・ビートディファレント・ビート
(1999/12/01)
ゲイリー・ムーア

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黒い黄金週間も後半に入って、来週のオズフェストに温存するのにお金をセーブして過ごすのはちとキビしい(苦笑)。ま、その為に家で久々にTVゲーム三昧の日々ですよ。最近買った2つ以外にももう1つ追加してやり込みしてるけど、さすがに1日ぶっ通しは疲れた(苦笑)。

で、ネットに繋いで色々とチェックしてたら、何とスレイヤーのジェフ・ハンネマンが亡くなったというではないか!数年前に毒蜘蛛に噛まれて治療中というニュースが載ってたけど、それ以外に長年の飲酒が祟って肝機能に問題があったらしく、そこへ来て治療薬が肝臓に負担の掛かるモノだったみたいで、負の要素が絡み合っての結果で命を落とすのはバンドもやり切れない思いなのでは。
49歳という話だけど、幾らなんでも早すぎでしょう。数年前にスリップノットのベースが亡くなったり、若いミュージシャンが亡くなるのはファンでなくともちょっと居た堪れない感情になりますね。ご冥福をお祈りします。

さて、今回は久々の御大ゲイリー・ムーア。先日ネットの中古サイトで見付けて、興味があったので定価の半額で購入した1999年発表の「A DIFFERENT BEAT」。
このアルバムの前作にあたる作品「DARK DAYS IN PARADISE」が、久々にブルーズ路線から外れてジャングルビートやドラムンベースなどを基調としたモダン路線に挑戦したモノだったけど、このアルバムもその延長線上で作られた作品。
そもそも、当時のこのモダン路線の転身は一体何だったんだろう?というのが御大亡き今思う事ではあるけど、彼の盟友でもあるフィル・ライノットが亡くなる前に「俺が今注目してるのはヘヴィロックとダンスビートの融合、完全なる雑種だよ」と語ってた事があったけど、ゲイリーも正にその様なニュアンスで新たな音楽性を探求していたのではなかろうか?

それにしても、前作での路線変更がいきなりだったので、ゲイリーのファンであっても衝撃的でHR路線が好きなリスナーは拒否反応が出てもおかしくない感じだったけど、そんな事はお構いなく(苦笑)この路線を更に推し進めた音作りをこのアルバムで披露している。
ただ、前作との決定的な違いは、前作よりもギターを前面に押し出してロック色を強く打ち出してるので焦点が絞られているという点。リズムはプログラミングされたデジタルビートではあるものの、前作で失望した人でもこのアルバムは案外いけるのではなかろうか。

このアルバムを聴いて、音楽性は全く違うけど何故か元イット・バイツのフランシス・ダナリーを思い出してしまった。お互いにギタリストとボーカリストではあるので共通点もあるけど、ゲイリーもフランシスも音楽性を変える事に何のためらいもなく全く違うタイプの作品を作ったという事が被る部分だと思った。
でも、残念ながらこういう路線変更は、ファンの心理を読む前に自己満足に陥る傾向にあるので、当然ながらお互いに成功していないのが何とも寂しいトコ。

それを感じ取ったのか、御大はこのアルバムを最後にモダン路線を封印してまたブルーズアルバムに戻っていった訳だけど、実際にこのアルバムが成功していたらどーなっていたのだろうか?
私的にはこのテの音は嫌いじゃないし、逆にブルーズ路線に戻ってマンネリ化するよりはあと数枚聴いてみたいと素直に思ったけど、やっぱり一般リスナーに受け入れられるには定番路線の方が良かったのだろうなあ...


「LOST IN YOUR LOVE」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=G3Fr0XFzVT0

「FATBOY」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=dzIWkeQMkkw

「SURRENDER」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=5ISeq6HHJYs

ダーク・デイズ・イン・パラダイスダーク・デイズ・イン・パラダイス
(2011/06/08)
ゲイリー・ムーア

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先日、シン・リジィのデラックス・エディション盤と一緒に頼んでおいたこのCDも一緒に到着。当時はゲイリー・ムーアの新機軸として注目され、賛否両論を引き起こした1997年発表の「DARK DAYS IN PARADISE」。今までCD持ってなかったのと、3ヶ月限定での旧譜¥1500価格&2002年デジタルリマスター盤という事で。

このアルバムが発表された当時、友人がいち早く購入したんで早速聴かせてもらったのは良いけど、それまでの間暫くブルーズアルバムばかり作っていた御大が、ここに来て何故この様な作品を作ったのか全く理解出来なかった。80年代までのHR路線には戻らず、かと言ってブルーズ路線もマンネリ気味となれば新たな領域に進むのも分からない気がしないでもないけど、それにしても...ってな印象だった。

従来の路線を感じさせる楽曲は「LIKE ANGELS」と「BUSINESS AS USUAL」の2曲くらいで、後はドラムン・ベースを主体としたテクノロジーを駆使した楽曲群。1曲目の「ONE GOOD REASON」からいきなりVoにエフェクト掛けまくりで意表を突かれる。
この当時のインタビューで御大は「ブルーズアルバムを作るにも、ネタが無かった」とか、お気に入りのミュージシャンにマッシヴ・アタックなどを挙げてて、路線を変更にするには十分な動機付けもあったみたい。また御大の娘が嵌ってたのもこのテの音楽という事で、自分でも試したくなったんだろうなあ。

でもまあ改めてよく聴くと、上っ面はデジタルっぽい雰囲気に覆われてるけど、骨格はR&Bっぽい感覚だったりC&Wっぽいモノだったりと、HRは演ってないけど”演奏ありきの上で”の作られているのがよく分かる。「WHERE DID WE GO WRONG?」の後半ではお得意のギターソロも延々収録されてるし、それなりに聴き所が多いのもよく分かる。

このリマスター盤にボートラが2曲収録されているのだけど、どちらも御大の過去の楽曲には無かったタイプで「BURNING IN OUR HEARTS」はジャミロクアイっぽいダンサブルなナンバー、「THERE MUST BE A WAY」は何とレゲエである。コレには驚きを隠せない。

御大の長い活動の中でも異彩を放ってる作品である事は間違いないかと。新たに聴き直してみて、ようやくこの作品の内容が理解出来たかな?と思う。続く次作でこの路線は止めてしまうけど、その次作はまだ未聴なんで是非聴いてみたいと思った。


「I HAVE FOUND MY LOVE IN YOU」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=91zponO35co&feature=related

「LIKE ANGELS」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=Apjm-zazd6s&playnext=1&list=PL94AC0C711A2E8C56

「ALWAYS THERE FOR YOU」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=CxoTLVjS8DA&feature=related

Ballads & BluesBallads & Blues
(1994/11/14)
Gary Moore

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正に衝撃的なニュースでした。
...まさか、こんなに早くこの世から去ってしまうなんて思ってもいなかった。盟友フィルやロリーの元に早く行きたかったのかな?一つの時代が終わってしまった気がして、物凄い虚脱感を感じる。

死因は特定出来てないみたいだけど、何でも休暇中のスペインのホテルで睡眠中に亡くなったという事は分かってるらしい。しかし、全然実感湧かないって!今年はミック・カーンといい、本当に最悪だ...

そんな事を思いながら、昼からリジィや彼のソロ作、ブルーズ路線など色々聴いているけど、こういうプレイヤーはもう2度と出て来ない気がする。彼の影響を受けたジョン・サイクスやジョン・ノーラムですら既に頭打ちになっているのに、御大は路線を変えたけど貪欲にプレイし続けていたのは正に根っからのミュージシャンだったと。

でも、こういう気分の時は彼の残したHRも良いけど、やはりバラードに定評のあった彼ならではのベスト盤「BALLADS & BLUES 1982-1994」が一番しっくりくる。
HR時代からブルーズ時代までのバラードを集めて、当時の新曲3曲収録したベスト盤なのだけど、不満なのが「STILL GOT THE BLUES」の後半のソロがカットされてるトコ。どー考えてもおかしいでしょ?
それと「THE LONER」が入ってない!何で??
あと「AFTER THE WAR」のボーナストラックだった「THE MESSIAH WILL COME AGAIN」のカヴァーが収録してほしかった。あんなに凄いプレイなのに!!!
もっと贅沢を言えば、コージー・パウエルのソロ作にゲスト参加した「SUNSET」も入れて欲しかったし、更に言えばGフォースの「I LOOK AT YOU」も...ってキリが無いくらい、彼の残したプレイは素晴らしいモノが多い。
でも全14曲もあるし、当時の新曲3曲が売りだった訳だからバランスの良い構成だったのは認めるけど。

その「ONE DAY」「WITH LOVE」「BLUES FOR NARADA」の出来はそれぞれに素晴らしく、私的にはインストの「BLUES FOR NARADA」が一番好きだったな。
ゲイリーのバラードにしては普通と称される「CRYING IN THE SHADOWS」が収録されてのも嬉しいし、ゲイリー・ムーアの取っ掛かりとしては実に最適な1枚ではなかろうか、と。

しかし、こう書いても全く実感がない。でも一言言わせてもらうと、貴方の事は絶対に忘れないぜ、ありがとう...


「BLUES FOR NARADA」曲のみ(この写真、凄く良い)↓
http://www.youtube.com/watch?v=qRFWmNgTqRE

「CRYING IN THE SHADOWS」曲のみ↓
http://www.youtube.com/watch?v=i7duAoNQrCc