特に「LOVE'S AN INJECTION」(邦題:愛はインジェクション←何だこりゃ?)は、個人的には秀曲。一番最初に買った彼等のベスト盤「MILLION MILES AWAY」にも収録されてて、中でも結構気に入ってた曲だったので、後にオリジナルアルバムに収録されてないのを知って驚いた事があった。 それと「SELF DISTRUCTION BLUES」は彼等なりのブルースの解釈(っていう程でもないけど)といった感じで、こういう派手でケバケバしいバンドが泥臭い音出してるのもミスマッチっぽくて良い。 後にライブ盤の収録される「BEER AND CIGARETTE」や「TAXI DRIVER」のカッコ良さは、言わずもがな文句なし(まあ、ライブ盤のアグレッシヴなノリの方が断然良いけど)。
でも、結構自分自身のセルフコピーと化してる部分もあって、「NOTHING NEW」のサビなんかは「11th STREET KIDZZ」と同じフレーズだし、「KILL CITY」の歌いまわしは「TRAGEDY」そのままだし、なるほどアンディは出したくなかった訳だ...と、今になって納得出来た(苦笑)。
そんな訳で、1日中寝てろと言われても寝汗をかくのでそうそう寝てられるハズもなく、音楽を聴きながらゴロゴロしていたのだけど、こういう時に合う音楽を...とチョイスしてたら、このアルバムを見つけたんで久々に聴いてみた。スザンヌ・ヴェガの通産6枚目に当たるオリジナルアルバム「SONGS IN RED AND GRAY」。発表は2001年。
となると、メロディや歌詞の内容で勝負となる訳だけど、メロディはそれほど引っ掛かりがあるとは思わなかった。冒頭を飾る「PANITENT」や「IT MAKES ME WONDER」はこのアルバムの中でも好きな曲でメロディもフックがあって良いけど、彼女の曲にしては普通に良い曲レベルかと。他の曲は普通に聴き流してしまう感じで、余りピンと来なかったな。 歌詞の内容も、自身の離婚後の作品という事もあってかちょっと深読みしてしまう様な内容で、英語圏の人達にはこういうモノはどう映るんだろうかと。 ただ歌詞とは対照的に、音楽的には少しポップでライトな構成となってるので、2ndや4thの様な暗さが感じられないのが印象的。これはプロデュースしたルパート・ハインの影響が強いんじゃないかと。
ただ、今作に関しては、色んな問題から解き放たれたのが良い意味で肩の力が抜けた雰囲気が感じられる。前作も勿論素晴らしい出来だったけど、内容も音も重すぎたお陰で息苦しくなる感覚が所々にあったけど、今回にはそれが全く感じられない。 しかし、そのお陰で楽曲のメリハリが余り感じられないのも事実。当時のライブでよく演奏された「PILOT OF MY DREAMS」や「DON'T WAIT UP」「WELCOME TO THE PARTY」辺りはいつものキャッチーなナンバーではあるものの、他の楽曲が今もライブで演奏されていない事を考えると、私と同じ事を考えてる人は多いと思う。
かといって、決して出来が悪いという訳ではなく、クオリティは十分高い。「LOVE WORTH DYING FOR」や「SOMETHING ABOUT YOU」、「THE THRILL OF IT ALL」なんかも普通にセットリストに加えても良い楽曲だと思う。ただ、意外とハードな「COSMETIC PUNK」はアルバムの構成上、無理矢理ハードな音にした雰囲気で余り好きではないけど。