例えば、私が愛して止まないイット・バイツの「ONCE AROUND THE WORLD」はVirgin初回盤、2006年東芝EMIからの紙ジャケリマスター盤、2014年ユニバーサルからの紙ジャケリマスター盤の3枚所持しているのだけど、大好きなアルバムという事でもあるけどこれにはちゃんと理由があって、初回盤は彼等を知る切っ掛けになった中古盤で購入したモノ、2006年の東芝EMI盤は初のリマスター盤&初紙ジャケという事で捕獲し、2014年のユニバーサル盤はリリース当時のシングルのB面曲や12インチ盤(懐かしい!)のロングバージョンが収録されているので貴重な音源という事もあって当然捕獲...という事である。
今回チョイスしたグレイト・ホワイトの「RECOVERY:LIVE」もマニア泣かせのアルバムで、当時発売されたアメリカ盤・イギリス盤・日本盤と3種類のバージョンが存在するモノだ。私も白鮫は大好きなバンドだったので、このアルバムの存在を知った時は探しまくった記憶がある。残念ながらイギリス盤は見付からなかったけど... まず、CD屋に注文して簡単に手に入った日本盤の売りは何と言ってもレッド・ツェッペリンのカヴァー「SINCE I'VE BEEN LOVING YOU」の音源。当時からジャック・ラッセルの「ZEPを歌わせたら凄い」という話はBURRN!で紹介されていたので、この音源聴いた時にはホントに凄えー!と心底震えたのを覚えている。 あと、アメリカ盤にも収録されているジミ・ヘンドリックスのカヴァー「RED HOUSE」も日本盤には収録されているのだけど、ここでのボーカルがギターのマーク・ケンドール。マークの渋い声がこの曲を引き立てていて、めちゃくちゃカッコイイ仕上がりとなっている。 後は、当時中古盤屋で高値が付いてたデビューアルバムから3曲収録されているけど、これはまだ彼等がLAメタルの範疇に括られてた頃のスタイルなので、後のブルーズ路線が好きな人達には記録くらいなモノでしかないと思う。
で、何処で購入したのか覚えてないけど(都内の輸入盤屋だったと思う)後にアメリカ盤を入手出来たのだけど、こっちの内容はかなり豪華。何せバンド結成時に製作した自主制作盤「OUT OF THE NIGHT」(プロデュースはマイケル・ワグナーとドン・ドッケン)の5曲が丸々収録、デビューアルバムからも5曲収録、そして12インチシングルのB面に収録されてたカヴァー曲のライブ音源5曲と盛り沢山の内容。 「OUT OF THE NIGHT」も当時かなりの高値で売られていたのだけど、このCDに収録されたのは嬉しかったなあ。この頃はまだまだLAメタルスタイルだったけど、曲の中盤にちょっとした哀愁のあるメロディを入れるのがこの頃から確立されていて、当時のLAメタル勢とは一線を画すバンドだったとよく分かる。 ライブ曲に関してもZEPの「IMMIGRANT SONG」(移民の歌)「ROCK N ROLL」、前述のジミヘンの「RED HOUSE」、ハンブル・パイの「I DON'T NEED NO DOCTOR」、ロックのスタンダード曲「MONEY (THAT'S WHAT I WANT)」という選曲で、ZEPや前述の「RED HOUSE」は勿論、荒々しい「I DON'T NEED NO DOCTOR」のカッコ良さと言ったら...オリジナルがショボく感じるくらいだ。
という訳で、後の白鮫のスタイルに移行する以前のまだハードロック然としたスタイルがたっぷりと楽しめる好盤となっている。因みに、入手出来なかったイギリス盤には「ONCE BITTEN」の楽曲のライブバージョン数曲が収められたモノとなっているらしい。さすがに今から手に入れるのは難しいだろうなあ... そーいや、ライブ盤と言えば「TWICE SHY」の輸入盤にマーキーライブ盤が追加収録された2枚組バージョンが存在するのだけど、アレをディスクユニオンで見かけた時には捕獲すれば良かったと今でも後悔してる。持ち合わせが無かったとはいえ、アレはホントに惜しかったなあ。 あと、当時のライブ盤に私の大好きな「LADY RED LIGHT」のライブバージョンが何故存在しないのだろうか?来日公演に行った時には演ってくれてたのに、音源で残ってないのはホントに勿体無いと思うんだけど...
だけど、前作のブルージーな路線やアコースティックライブ盤でノリを期待していた人達にとっては素晴らしいアルバムだと思う。何せスティーヴ・オーヴァーランドが相変わらずの歌唱力で聴かせてるし、彼等自身1st~2ndのメロディアスハード路線はレコード会社からの要望だったと後に認めてる事もあって、彼等の本質からすると順当な路線変更でもあったハズ。 私自身も1stアルバムは大好きだったけど、この時期のスタイルも勿論悪くないし前作も好きな作品でもある。だけど、このアルバムになかなか手を出さないのはHRっぽい雰囲気が余り感じられないからだと思う。 でも久しぶりに聴いたけど、良い曲はホントに多いんだよなあ。「AIN'T NO CURE FOR LOVE」「MONA」「SISTER」「YOU'RE THE ONE」「MISERY」が好きだし、ポップな「TATOO NEEDLE」も渋い「DEADMAN'S SHOES」も悪くない。
いつもだったら発売日前日にウチに届くハズなのに、今回は何故か発売日に届いたガービッジの新作「STRANGE LITTLE BIRDS」。届いたCDを見てみるとジャケ下の小さいステッカーに金曜日発売商品とか書いてある。要はフラゲはダメですよって事なのか?ただでさえCDが売れない時代にこんな事する意味があるのだろうか??ちょっと意味分からないなあ...
さて、期待してた新作の中身はというと、シャーリー・マンソン自身がリリース前のインタビューで語ってた「これまでの作品よりも今回は控えめ」「デビューアルバムに近い雰囲気を持つ」という言葉がやけに引っ掛かってたのだけど、聴いてみて何となく理解出来たと思う。 ただ、デビューアルバムに近い雰囲気というのは、音楽性というよりも精神性の事なんじゃないかな?レコード会社とか周囲からの何の縛りもない、バンドだけでアルバムの全てを作り上げるという自由度がこのアルバムの持つ意味なんだろうし。 音楽性からするとデビューアルバムと似てる雰囲気は全体的に暗いという事以外は余り感じないし、「VOW」や「ONLY HAPPY WHEN IT RAIN」「STUPID GIRL」「MILK」みたいなキャッチーな雰囲気を持った楽曲は、先行リリースされた「EMPTY」や「MAGNETIZED」「WE NEVER TELL」くらいしかないのが大きな違いだと思う。 あとやけに内省的な雰囲気を持つ楽曲が増えたなあと。これがシャーリーの言う「今回のアルバムは控えめ」という事なんだろうけど、「EMPTY」の後に「EVEN THOUGH OUR LOVE IS DOOMED」が発表されたけど、聴いてみたら余りの地味さに驚かされたし。この曲のお陰で今回のアルバムはいつもと違う?と感じさせられたけど、予感が的中しちゃったな。