近年CDが売れなくて大手レコード会社も大分減ってしまい、音楽業界は本当に瀕死状態といっても過言ではないこの時代に、苦肉の策として(というよりか、もはやヤケクソ状態なのかも)旧作を安値で売るという売り方が増えてきた。良い例が廉価盤5枚組セット。紙ジャケにそのままCD突っ込んで5枚抱き合わせで国内盤CD1枚分の値段で売るという、80年代じゃ考えられない商売だけどリスナーとしてはホントに有り難い事この上ない。名前は知ってるけど音楽を聴いた事がないミュージシャンなんかは、こういう機会に手に入れてみようか...って事にもなるし。

しかし、国内盤で廉価盤5枚組というモノは存在しない。輸入盤にシール付けて国内盤扱いで売ってるのは見た事あるけど、国内メーカーが直に作ってる訳ではないから純粋な国内盤とは言わないし。
じゃあ国内盤ではどんな対策をしているかというと、単に通常盤よりも¥1000安いモノを廉価盤として出してるのみ。ワーナーのフォーエヴァーヤングシリーズが有名だけど、毎回同じラインナップでたまに変わったモノを出してくるのみ。
まあそれでも有り難いのだけど、金額下がっているモノって既に手に入れてるモノばかりで「おっ!?」と興味を惹くモノはなかなか出てこない。マイナーどころなんかは殆ど下げないけど、昨年キングレコードがやったスラッシュ系のCDを¥1400くらいで売ったのはかなり良いんじゃないかと思う。
そしたら、今年はソニーがAOR系のCDを¥1000で売る事になったからさあ大変。¥1000なら興味のあるモノを手を出しやすいし、外しても余り懐が痛む事もない。ただAORに興味がある人には堪らない話だけど、全く興味のない人にはこの金額でもスルーしちゃうのは仕方ないけど。

前書きが長くなってしまったけど、このAOR¥1000から、私がチョイスしたのは以前レビューを書いたジノ・ヴァネリの7枚目のオリジナル作「NIGHTWALKER」。発表は1981年。
このアルバムの前作にあたる「BROTHER TO BROTHER」が相当気に入ったので、この作品が今回¥1000ラインナップに入ってるのを見た途端、即予約入れましたよ。ネットで調べてみると、ファンの間でもこの2作が名盤扱いされている様なので、いずれ買おうと思ってた矢先にこのタイミングで手に入れられたのはラッキーだったなあ。

内容は前作路線を踏襲した作りとなってるけど、時代の影響か少しシンセサイザーの割合が多くなってる気がする。AORの括り(って、当時からそうだったのか分かりませんけど)でも演奏が意外とハードなのは前作同様なので、全体的にAOR特有の甘ったるい雰囲気がある訳ではないので聴き応えは十分。タイトル通り、夜の雰囲気を味わえるのがポイント高いです。夜の雰囲気...って事で、私的には以前某音サンに紹介してもらったナイトフライトを何処となく思い出しましたね。
お気に入りは「NIGHTWALKER」「SEEK AND YOU WILL FIND」「PUT THE WEIGHT ON MY SHOULDERS」「SANTA ROSA」「LIVING INSIDE MYSELF」「STAY WITH ME」あたり(って、アルバムの8割じゃん/笑)。因みに「LIVING INSIDE MYSELF」は、シングルカットされて全米6位まで上がったとの事。

しかし、この人はホントに歌が上手い!前作でも思った事だけどこのアルバムでも抜群の存在感で、演奏の凄さは勿論だけどあくまでもメインは歌ありきとなってるのが曲を聴かせる肝となっている。
このアルバムに続く次作は完成されていたのだけど、先行シングルまで発売されてたのにジノ本人とアリスタレコードとの間でトラブルとなって結局お蔵入りとなったらしい。このトラブルを起こした人ってのがアメリカレコード会の首領らしく、事実上ジノは干されたらしいので、いつかこの人が亡くなったら改めてリリースしてくれないかな...と僅かな希望を持っていたりする(笑)。


「NIGHTWALKER」


「LIVING INSIDE MYSELF」
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このCDは数年前から購入しようかずっと迷ってたモノで、国内盤はとっくの昔に廃盤となり、輸入盤もなかなか値下がりしないのでお金ある時にでも...と思いつつもお金がずっと無い状態なんで(苦笑)購入出来ずにいたのだけど、アマゾンのマケプレで約¥1200くらいまで落ちたので買っても良いだろう...という事でようやくポチってみました。現デフ・レパードのヴィヴィアン・キャンベルがホワイトスネイク脱退後に参加したリヴァードッグスのデビューアルバム「RIVERDOGS」を今回はチョイス。当時の邦題は「荒野の呼び声」。

実はこのアルバムが発表された時この作品には余り興味無かったのだけど、理由は単純でデヴィッド・カヴァデールから「宿題をやってこない人間はいらない」と言われて白蛇を解雇されてしまい、しかも白蛇に参加した時は「1987」が大ヒット中でアルバムには参加してないけどツアーには参加してたので、当時のPVにも映ってるヴィヴィアンを観て「どうもしっくり来ないなあ」と思っていたのだ。「GIVE ME ALL YOUR LOVE」のPVの中間部のソロがジョン・サイクスのそれと差し替えられてたソロを聴いて、やっぱ違うんだよなあ~と疑問点しか残らなかったのだ。
だから、古臭いブルーズベースの白蛇には様式美な正統派HRスタイルだったディオのメンバーだったヴィヴィアンには合わないのかな?と思っていたので(とはいえ、ロニーの様なスタイルをカヴァデールが歌うのは面白いかな?とは思ったりもしたけど)このバンドには興味もなかったと。

しかし、たまたまYOU TUBEでチェックした「WHISPER」を聴いて「何だこれ、めっちゃカッコイイじゃんか!?」と驚いて(笑)ヴィヴィアンがこういうスタイルでもイケるクチなんだと知ってからは、このアルバムは一度聴いてみたいとずっと思ってたという訳。

そもそもこのバンドにヴィヴィアンが参加したのは、当初バンド側からプロデュースか何かを依頼されてアルバム製作に参加してるウチにメンバーに入ったという経緯があったそうだ。まあ、ヴィヴィアンの過去の参加作からするとこういうスタイルに流れてくるとは思わなかっただろうし、本人もメンバーとして参加すると思ってなかったのではなかろうか。

ヴィヴィアンの事ばかり書いているけど、実はこのバンドの肝はボーカルのロブ・ラモスだと思う。偶然なのか分からないけどロブの歌声は正しくデヴィッド・カヴァデールに近いスタイルで、カヴァデールよりももっとカラッとした乾いた雰囲気を持つので、声質に湿り気のあるカヴァデールと比較してみるのも面白いかと。人によってはロブの声質の方が好きな人も多いと思う。なので、音楽性もカラッと乾いた大地をイメージする様なハードロックで、ロブの歌唱力を十分に活かしたスタイルとなっている。
ヴィヴィアンのギターもディオ時代にプレイしていた様なフラッシーなスタイルは鳴りを潜め、もっとメロディアスで聴かせるスタイルになってるのも好感が持てる。まあ、その分地味な印象にもなってるんだけど。
お気に入りは「WHISPER」「BABY BLUE」「WATER FROM THE MOON」「RAIN RAIN」「SPOOKY」あたりかな。

当時はMR. BIG、バッドランズ、ブルー・マーダーとHM系ギタリストが組んだスーパーバンドという謳い文句でデビューアルバムがこぞってリリースされた時期でもあったけど、このバンド群の中にこのバンドが属するとちょっと違和感はあるけど、内容的には他バンドにも劣らないかなり充実している作品だと思う。やっと手に入れられて満足ですよ。

因みに私は購入したのは、数年前にリマスター再発で有名なROCK CANDYレーベルからのリマスター盤で2枚組。もう1枚はかつて「ON AIR」というタイトルで売られてたモノらしいけど、全米のラジオ局をプロモーションで訪れている時に録音されたアコースティックライブを収録したモノ。アルバム全曲に加えて、アルバム未収録だった「PENNSYLVANIA」という未発表曲もアコースティックで収録されている。メンバー達の楽しそうな雰囲気が伝わってくる、ホームメイド的な作品で2度美味しい。

ヴィヴィアンが抜けた2ndアルバム、2011年にヴィヴィアン復帰しての3rdアルバムと発表してるらしいけど、内容は徐々にロック色が薄れてきてるらしいので、とりあえずこのアルバムだけあれば良いかな?


「WHISPER」


「BABY BLUE」




ここ最近、新作で欲しいモノが少なかったので旧作ばっか聴いてたトコに、久しぶりのこのバンドの新作が出ると言う情報を知ったので早速アマゾンのマケプレで注文したのが先日届きました。元シン・リジィ(という肩書きはもういらないかな?)のキーボード、ダーレン・ワートン率いるデアーの通産7枚目のオリジナルアルバム「SACRED GROUND」を今回チョイス。

数年前まで再結成シン・リジィのツアーに参加していたけど、そのメンバー達がブラック・スター・ライダーズを結成したお陰でダーレンはデアーの活動の方に戻ってきた訳だけど、その間が長いんだよなあ(苦笑)。
元々黙作なバンドではあるけど、前作「CALM BEFORE THE STORM 2」が発表されたのは2012年で、その前々作「ARC OF THE DOWN」は2009年発表だったので、オリジナル作としては7年振りの新作という訳だ。ジャケ下に入ってる”7”というのは、7作目という意味なんだろうけど「7年も掛かっちゃいました、すいません」っていうダブルミーニングじゃないよなあ(苦笑)。

今回の大きな話題としては、オリジナルメンバーだったヴィニー・バーンズの復帰でしょう。この話聞いた時はちょっとテンション上がりましたね。ヴィニーが抜けた後の作品も、HRの範疇ではないにせよメロディの美しさと叙情性が相成って素晴らしい作品ではあるものの、どーしても地味な印象は拭いきれなかったので、今回のヴィニーの復帰は初期の様なメロディアスハード路線に戻るのか?と期待させるモノだった。

で、早速聴いてみると、初期のメロハー路線ではなくここ最近の音楽性に幾分華やかさが戻ってきたという印象だった。メロディが美しいのは相変わらずだけど、更に音の奥行きが増したというかメリハリが付いた感じで良いですねえ。それに物悲しさを感じさせるというよりは、力強く爽やかな印象を与える楽曲が多いのも好印象かと。
ジャケットも、大自然をバックにモノクロのメンバーショットというシンプルなモノでバンドのイメージにぴったりだし(今回は誰も脱いでないです/笑)久々にバンド内のポジティヴな雰囲気が伝わってくる様です。

しかし、このバンドはいつでも流行り廃り関係なくブレない方向性を持ってるなあと思う。地味な印象があって、メジャーな割りには素朴で手作り感を感じさせる作風はダーレンの人柄を表しているかの様だし、黙作でありながらも未だに活動出来ているのはそれだけ支持してくれているファンも多いんだろうなあ。じわじわと心に染み込んで来る様な味わい深い音楽性はこれからも変わらないだろうし、末永く活動して欲しいと願う。


「STRENGTH」


「I'LL HEAR YOU PRAY」




やっと、まとめてアマゾンのマケプレで注文していたCD4枚がウチに届いた...7月中旬に注文して到着予定が最終7/30になってたけど結局届いたのは8/2。気長に待ってたつもりでも、最近CD買ってなかった事もあって結構長く感じたなあ(苦笑)。

で、今回はこの4枚の中で一番衝撃が強かったジェフ・ゴドフリー率いるフロスト*の久々の新作「FALLING SATELLITES」をチョイス。
前作「EXPERIMENTS IN MASS APPEAL」から約8年振りの新作となった訳だけど(ボストンかよ?)この期間にライブ盤2作出していたし、メンバーのジョン・ミッチェルはイット・バイツの活動やソロ作を作ったりとあったので、長いのは長かったけど8年間も待たされた感は無かった気がする。
まあそれと言うのも、このバンドの存在自体がホントにあったのか?という疑問もあった訳で、実際に活動してないから情報も入って来ないので解散したのかどうかもよく分からないし、再始動は諦め半分の気持ちだったから時間の経つのを気にしてなかったと思う。その間に前作2枚はずっと聴いてたから不在を嘆く事もなかったし。

今回は初の国内盤リリースという事もあって最初は国内盤を待っていたのだけど、実際に発売されて曲数見ると輸入盤のリミテッドエディション盤と変わらず、しかも国内盤の金額が¥3132に対し輸入盤は¥1119(+送料¥350)なれば輸入盤をチョイスするに決まってるでしょう。ただでさえCDが売れないのに、半額近くも金額差があると皆国内盤買う意味なんて無くなるのでは?この辺をもうちょっと考えてもらわないとねえ...

ともかく、今回のアルバムは聴く前から某巨大掲示板ではかなり話題になっててやたらと賞賛する言葉が連なってたんだけど、正直それほどのモノなんだろうか?という疑いが常にあった。実際に聴いてみて素晴らしいアルバムというのは間違いないけど、やたらと大袈裟な煽り文句が多くてそこまでのモノではないな...というのが私の感想だった。

では何が衝撃的だったのか?というと、今回はEDMやダブステップなどを取り入れてこれまでの作品とは質感が大いに異なる雰囲気を持つアルバムとなったからだ。特に「TOWERBLOCK」なんか最初聴いた時はCDデッキ壊れたのかと思ったくらいだ(笑)。
そのお陰もあってか、前2作よりもモダンなアプローチが感じられて更にメロディが強調されているので、複雑な曲展開の割りには結構聴き易いというポップ寄りな雰囲気がある。
今回は意外にもジョー・サトリアーニがゲスト参加してるけど、ジョー・サトリアーニのG3ライブにジェフがキーボードとして参加した事が切っ掛けらしいけど、普通にギターが上手いジョン・ミッチェルもいる事からそれほど違和感は感じないのがこのバンドの凄いトコかも。
お気に入りは「NUMBERS」「TOWERBLOCK」「HEARTSTRINGS」「CLOSER TO THE SUN」「NICE DAY FOR IT...」「BRITISH WINTERTIME」辺りかな。

しかし、このジェフ・ゴドフリーって人の頭の中はどんな感じになってるのだろうか?プログレ系のミュージシャンなんかそう思うけど、どーやったらこんな曲調思いつくのだろう...と今回も思った。それでこの複雑な曲展開でもライブをこなす訳だし、狂気すら感じるわ。
今のイット・バイツは活動停止状態みたいだし、久しぶりの復活なんだから本腰入れて活動してくれれば良いのに...と思う。単にプロジェクトとして割り切ってるのかよく知らないけどライブを観たい人は結構いると思うし、知名度を上げる意味合いでも来日公演でもあればバンド活動も活発になるのに勿体無いなあ...


「NUMBERS」


「TOWERBLOCK」