前回の来日から実に27年振りという、全くもって奇跡としか言い様のないフランシス・ダナリーが今月上旬に来日公演を行なった。
私はイット・バイツの2ndアルバム「ONCE AROUND THE WORLD」で彼の存在を知って以来ずっと彼の動向を追って来たけど、途中で彼自身が何を目指しているのか分からなくなり、ちょっと付いて行けないな...と思ってた矢先にいきなりの来日公演。そりゃ、待ち続けた人なんで是非ライブに...と思ってたけど、仕事のタイミングもあって残念ながら行けなかった。

まあ、今回は彼自身が復活をアピールするが如くイット・バイツのセルフカヴァー集「VAMPIRES」を引っ提げての来日なんで、当然ライブもイット・バイツの曲のみ(アコースティックライブではソロ曲も演奏したらしいけど)。数年前に現在のイット・バイツのライブを観た時に「感心はしたけど感動がない」とコメントしたけど、それは多分今回のフランシスのソロ公演でも同じ気分を味わったと思う。それは「VAMPIRES」の演奏を聴けば分かるけど、当時よりもかなり落ち着いた雰囲気で演奏されていて、やはり時は戻らないモノなんだなと実感した様な印象があったからだ。

今回チョイスした「RETURN TO THE WILD COUNTRY」も彼の1stソロ作のセルフリメイク集なのだけど、フランシス自身は当時アル中+ヤク中だったらしく、アルバム自体をどうやって作った事さえ覚えてないらしい。それでもあんなアルバム作ってしまうんだから非凡過ぎるだろ。
今回の来日に併せて3枚のアルバムが国内盤でリリースされたけど(「VAMPIRES」「RERETURN TO THE WILD COUNTRY」「FRANKENSTIN MONSTERS」)迷わずこのアルバムが一番興味あった。作った事すら記憶にないアルバムが今のフランシス自身どの様に感じてるのか興味あったからだ。

聴いてみて思ったのは「VAMPIRES」ほどレイドバックしてないという事。確かにオリジナル盤と比べるとスピード感や演奏の切れが大分後退してるけど、それを補うか如くアレンジで上手く聴かせる方向に持ってきてると思った。「DRIVING IN THE RAIN」や「ALL EVER WANTED WAS YOU」なんかは特に顕著かと。
あと、曲の良さを改めて感じたな。当時はイット・バイツ解散後という事もあって、バンドの幻影を追ってたお陰でこんなにもドライなアルバム作っちゃったんだと少し寂しくなった記憶があるけど、こうして時が経って改めて聴いてみると、それまでオリジナルで馴染んでた曲が更に魅力的に聴こえるのは何とも不思議な感覚を覚えた。それはイット・バイツほどの思い入れがなかったからかも知れないけど。

フランシスが今回の来日でかなり気を良くしていたみたいなので、また是非ともアルバム作ってライブをやってほしい。今の彼にはもうイット・バイツは必要ないと思うし、ソロで自分のやりたい音楽を追及した方が彼の音楽の魅力が増すと思うし。ただ、プログレ関係のミュージシャンを集めてスーパーグループを作りたいともインタビューで言ってたけど、こういうのはどーなんだろう?興味と不安が半々なんだけど...


「WELCOME TO THE WILD COUNTRY」(ORIGINAL)


「JACKAL IN YOUR MIND」(ORIGINAL)
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昨年買ったCDだったんで「え、出たの?」ってな具合で、新作が出たのを気が付かなかった(まあ、マイナーバンドなんで新譜情報なんて何処にも出てなかったんだけど)エンジェルス・オア・キングスの2ndアルバム「GO ASK THE MOON!」を今回チョイス。たまたまディスクユニオンの新作情報で知って慌ててポチりました。

いきなり新作出てたのにも驚いたけど、もっと驚いたのはこのジャケット(笑)。1stアルバムの時はボロボロの塗装の剥げた壁にバンドロゴというシンプルなモノだったけど、今回は小学生が描いた様な月に向かうロケットの絵で、下に申し訳なさそうにバンドロゴの非常にダサいジャケ...コレはあのエイリアンの1stアルバムのダサさに匹敵するダサいモノではなかろうか?
1stアルバムをいたく気に入った私としてはこのバンドの新作自体が嬉しいけど、このジャケのダサさには別の意味で嬉しくなりましたわ(爆)。もうコレだけで購入する価値はアリでしょう(笑)。

ともかく、B級メロディアスハード系といった感じの基本スタイルは今回も健在。前作はキーボードが効果的に使われてたので北欧メタル系に近い印象があったけど、今回はそこに加えて若干ギターを全面に押し出したスタイルとなっているので幾分ヘヴィに聴こえる印象。
ボーカルのザラついた質感がワイルドに聴こえるので、普通のメロハーバンドとして聴くと少し違和感があるかも。でも、このボーカルの声は結構好きですよ。休日にパブでビールをチビチビやってそうなおっさんのイメージだけど(笑)そんなトコも含めて好きなんだよなあ。

楽曲の方は、前作みたいに試聴してから購入した訳じゃないので一聴してガツンと来るモノはなかったけど、ベテランならではの安定感(2枚しか出してないのにベテランという表現も変な話だけど、元々は80年代末に結成されてて解散から再結成されるまでかなりの年月が経っている)は十分感じられ、何度も聴くうちにジワジワと来る感じの落ち着いたメロディアスハード系といったトコだろうか。
YOU TUBEにもライブ動画がちょこちょこ上がってるので実際に地元でもライブ行なってるみたいだけど、やっぱメロハー自体がマイナーな存在になったからそれほど活動範囲も狭いんだろうなあ。こういうバンドこそ、週末にライブハウスへ行ってまったり楽しんで聴きたいモノなんだけど、向こうでもそんな感じなんだろうか?

マイナーバンドという事もあって、まず日本じゃ絶対に観られないバンドだろうけど、こういう音楽が好きな人達にとって(私もだ!)こういうバンドが存在してる事自体が嬉しいので、地道にコンスタントにアルバム出して活動してくれる事を願う。
しかし、このジャケでTシャツ作ったらマジで売れないんだろうなあ...(苦笑)


「NO MORE FAITH TO LOSE」


「THE NIGHTS DON'T COUNT」




約8年振りのソロ作となる、ゴッド・オブ・ヴォイスことグレン・ヒューズの新作「RESONATE」。グレンのファンである私は勿論ゲットしましたよ。
今回も無事国内盤が発売されたんで国内盤を購入したんですが、DVD付きにしようかどうしようか迷った挙句、いつも購入してるジョーシンのクーポンがあったのでこれを使って¥3165で購入。
しかし、前回も書いたけどDVD付CDの値段が上がるのは仕方ないにせよ、定価¥3800+税はやっぱ高いと思う。輸入盤なら2枚買える値段をCD1枚に出すのは結構考えるよなあ。私はグレンのファンだから買ったけど、特にファンでもない人が「ちょっと聴いてみようか」と手軽に買える感じじゃないと思うし...もうちょっと何とかならんのですかね?ワーズレコードさん。

今回の新作は「これまでのアルバムの中で最もヘヴィな作品」という御大の言葉だけは聞いてたのだけど、先行で発表された「HEAVY」のPVは全く観なかった。新作をまっさらな状態で聴いてみたいと思っていたので観る気は無かったのだけど、ヘヴィというタイトル通りの音なんだろうな...という予測は出来た(笑)。
これまでの御大のソロ作で一番ヘヴィなのは「ADDICTION」だと思うけど、如何せんあのアルバムは音がヘヴィ過ぎてメロディが地味という印象しか残ってないので、彼のアルバムの中で最も聴かない部類に入ってしまうのだけど、今回のアルバムもそういう危惧は当然あった。

今まで色んなミュージシャンが「新作はヘヴィだぜ」とかいうインタビューを見ると、逆に余り期待はしたくなくなるのがいつものパターンなので(苦笑)今回の御大の発言がそのまんまだった事もあり、幾ら彼のファンでも余り期待はしてなかった。
正直、グレンのファンってヘヴィな音像を望んでるんだろうか?っていつも思う。だって彼のルーツはR&Bという事はファンなら誰でも知ってる事だし、だったら「今回の新作はソウルフルでファンキーだぜ」と言ってくれた方が期待が高まるんだけど、そうなるとパープル時代のファンは「またか!」と嫌な気分になるんだろうな(苦笑)。

で、聴いてみると確かにヘヴィなんだけど歌メロがすんなりと耳に残るし、「ADDICTION」の時の様な地味な印象もない。また、今回は前作で顕著だったファンキーな楽曲は「LANDMINES」のみで、全体的にオルガンを多用してる事もあってオールドスクールなハードロックで勝負を賭けてきた様だ。いつもは多種多様なスタイルが混合して、全体的に散漫な印象を与えやすいのがこの人の弱点でもあるのだけど、今回は基本的な軸がブレてないので、統一感があって飽きさせないのが一番の強みだと思う。

何処をどう聴いてもグレン・ヒューズのアルバムというのは変わりないんだけど、久々のソロ作という事もあって結構伸び伸びとプレイしてる印象を受けた。バンドメンバーには著名なミュージシャンはいないし(レッチリのチャド・スミスが2曲で叩いてるけど、あくまでもゲストだし)いつものパープルのカヴァー曲も今回はない(初回盤にはゲイリー・ムーアの「NOTHING'S THE SAME」が収録されてるけど)。だけど、聴き終わった後に満足感が残るというのは彼のソロ作では「SOUL MOVER」以来だと思う。

素晴らしい新作をリリースしたにも関わらず、来年は早速再結成したブラック・カントリー・コミュニオンが新作をリリースするそうで、DVDのインタビューでは「ソロ活動に重点を置きたい」とか言ってたのに、この変わり身の早さ(笑)。まあ、御大ももう結構な年齢なので、色々活動してくれるのは嬉しいんですけどね。


「HEAVY」


「LONG TIME GONE」




このCD、ホントは購入するつもりがなかったんだけど、たまたま覗いたネットショップで新品が半額近くで売られてたのでそれなら試しに...と捕獲した、デヴィッド・カヴァデール率いるホワイトスネイクの「THE PURPLE ALBUM」。発表は昨年でしたね。

過去のレビューでもちょこちょこ白蛇は出てきている事から分かる通り、私は白蛇大好きだし、勿論サーペンス・アルバスはリアルタイムで聴いてハマったアルバムでもあるんで、このアルバムにも手を出すかと思いきや、全く興味が持てなかった。
単純にデヴィカヴァの声の衰えがここ数年顕著に酷くなっていた事もそうだし、過去のライブの発掘作業に捉われ過ぎて、大して良いクオリティでもないライブ盤を乱発してるのもちょっと疑問に思ってたからだ。

で、ここに来て今度はディープ・パープル時代の楽曲をセルフリメイクという”奥の手”を使ってきたのは、もはややり過ぎだろうと思った。第三期深紫のメンバーで再結成の話が有ったらしいけど、ジョン・ロードは他界し、リッチー・ブラックモアと会談を持つも物別れに終わり、結局は現白蛇のメンバーでセルフリメイクという事になった訳だけど、何故今パープルなのか?と疑問があった。
グレン・ヒューズも、自身のライブやアルバムにパープル時代の楽曲を盛り込んで未だにプレイし続けている事からやっぱディープ・パープル時代はそれぞれのメンバーにとっては別格なんだろうか?

リリース時に「BURN」「MISTREATED」「STORMBRINGER」の3曲を聴いたけど、「MISTREATED」「STORMBRINGER」はまだ良いけど、「BURN」の余りの物足りなさにショックを受けて失望し、全曲こんな感じならこれはちょっとなあ...と考えてしまった。また国内盤のリリース元がワーズレコードで、幾らDVD付きでも定価¥4000以上は高過ぎるだろ?という事で見送ってしまったのだ。

...とまあ、そんな経緯があったので、幾ら半額で手に入れても過剰な期待はしないでとりあえず聴いてみた。まあ、思ってたよりは普通に聴けるけど、楽曲によって出来不出来のバランスが凄く気になった感じがした。例えば前述の「BURN」や日本盤ボートラの「COMIN' HOME」なんかは、オリジナルで聴き込んでたお陰かギターソロが凄く不自然なカタチになってる気がするんで、これならオリジナルの方が全然良いと思う。
ただ、オリジナルではグレンがボーカルを取ってた「HOLY MAN」はデヴィカヴァの解釈と取れば面白い出来だし(元々彼が作った曲だからこういうモノなのかも知れないけど、とはいえ私はやっぱグレンの方がしっくりくる/苦笑)、「SAIL AWAY」「THE GYPSY」「SOLDIER OF FORTUNE」の歌唱は、当時のそれとは別モノだけど今の感覚だとこんな感じなのか...と妙な味わいがあると思う。

ただ全体的に言えるのは、現代的なアレンジを施しても楽曲自体がどうしても古臭く聴こえてしまうので懐古趣味みたいな感覚で捉えられてしまう事かと。そう考えると、このアルバムは10年くらい前にやった方が効果的だったんじゃないか?と思ってしまった。グレンが20年以上前に自身のライブアルバムでパープルの楽曲を披露した時は、鳥肌が立つほど凄かったのに...

それと演奏陣のメンバーが違うのは重々承知だけど、ブラックモアとロードは無理としても、せめてグレンとイアン・ペイスには数曲でも参加してほしかったなと思った。やはりこの2人がいる事で説得力が増すと思うし、豪華な雰囲気も味わえたと思うと残念だよなあ。

先日のラウドパークの大トリでは意外と御大の声の調子も良かったみたいで、ライブ観た人達から絶賛されてたみたいだけど、ディープ・パープルというルーツに自身のケジメをつけた今、次の白蛇はどんなスタイルになるのかだけはちょっと楽しみだけど、これで次回も白蛇のセルフリメイクだったらさすがに萎えるかも(苦笑)。


「STORMBRINGER」


「THE GYPSY」