最近のリマスターCD商法は実に手を変え品を変えといった感じで、単に過去作をリマスターするだけではなく、アルバム発売当時にお蔵入りされた未発表曲やリミックスなどを追加収録したり、当時のライブの模様やPVを収めたDVDが付属したりと、再度同じCDを購入してもらえる様にレコード会社も努力しているといった感じだ。
そのミュージシャンのファンは勿論の事、そのアルバムが大好きなモノであるならやっぱ良い音で聴きたいのは当然の事だと思うし、未発表曲や映像なんか付いていれば購入を検討するだろう。

しかし、肝心のリマスターがイマイチな出来だったりするのもそれなりにあって、聴いてがっかり...というのも中にはあったりする。これで直ぐに思い出すのはメガデスの過去作で、あのシリーズはアルバムによってはマスターテープの破損・劣化があったみたいで、デイヴ・ムステインは一部録り直しをしたお陰で音質が過去のCDと比べると全然違うモノになっていた。仕方がないにせよ、あれはホント残念だったなあ。

今回のガービッジの1stアルバム「G」もマスターテープは特に問題はなかったみたいだけど、レーベルが各国によってバラバラだったお陰で色んなトコから探し出さなきゃいけなかったみたいで、アートワークに関してはオリジナルが見付からなかったからまた新たに作り直さなきゃいけなかったとインタビューで答えてたの読んだ事があった。メンバーのブッチ・ヴィグ自身がプロデュース畑から出てきた事を思えば、こういう事の管理はしっかりされてるモノだと思ってたけど意外にも大雑把なんだなと驚いたけど、このアルバムのリマスター盤が出るというニュースを聴いた時は大好きなアルバムだったので、こうして無事に20年経った2015年に新たに発売されたのは良かった。金欠でなかなか購入する事が出来なかったけど(苦笑)。

音質自体は、当時のモノと比べて各パートの音が以前のモノよりも細かく分離されていて、更に音がクリアになった印象を受けたけど、私の耳ではヘッドホンで聴いて分かる程度のモノで、音圧自体は上がってるからメリハリが少し付いて若干ヘヴィな印象なので個人的には好みの音だ。
それに、このバンドは当時から未発表曲が多いので有名だったので、今では入手困難のCDシングルにしか入ってないモノが一つにまとめて聴けるのも魅力的だった。確かにアルバムからオミットされた曲といった感じなんだけど、このアルバムが好きな人にとっては世界観は全く変わってないモノばかりなので個人的には満足。「SUBHUMAN」は当時のCDのボーナストラックだったから聴いていたけど、「DRIVING LESSON」や「GIRL DON'T COME」、「BUTTERFLY COLLECTOR」が良い感じ。

ニルヴァーナの「NEVERMIND」のプロデューサーが新バンド結成...というニュースでいきなり音楽シーンに出てきた時はまだ全然このバンドについて知らなかったのだけど、リアルタイムで知ってたらギャップに戸惑ってただろうなという音だと思う。「NEVERMIND」とは全然違う音だし、しかもボーカルが女性という事もあって印象はグランジのそれとは別モノだから。しかし退廃的という印象はどちらにも共通する事であり、グランジの様なパンクっぽい荒々しい演奏ではなく、ニューウェーヴっぽい気だるい雰囲気を全面に押し出して敢えて音をラフにしている感覚はホントにカッコイイと思う。

シャーリー・マンソンの存在も非常に面白く、メンバー3人がMTVで彼女の前バンドであるエンジェルフィッシュのPVを観て気に入ってコンタクトを取ったという話でも分かる様に、既にバンド結成前からある程度の青写真は出来上がってたんだろうなあ。やはり彼女の存在なくしてこの成功はなかったんじゃないかと思う。

今聴いても全然古臭さを感じない世界観は私にとってはかなり好きな音。勿論、気分によっては聴かない時もあるけど、それでも聴きたい時には無性に聴きたくなる中毒性が堪らない。しかし、ブッチがまた新バンド結成したってニュースを最近読んだけど、こっちの方は今一体どーなってんの??


「VOW」


「STUPID GIRL」
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最近はグラハムボネ太郎サンや地味JAM尊サンが参戦してくれて過去のレビューにコメント入れてくれてるので、旧作アルバムと向き合う機会が大分増えた。新作も勿論良いんだけど、こうして過去の作品を思い出して再度聴いたり、自分がまだ聴いてないアルバムがあれば再チェックするのもこういう機会が切っ掛けになれば良い事だし。何も新しいモノだけが全てじゃないんだし、私が好きな80s系のモノだって全てを把握してる訳じゃないから、振り返るには良い機会だと思う。

今日は休日なので、起きてからずっと旧作アルバム三昧。で、久々にこのアルバムも手に取った。ハートの1993年に発表された「DESIRE WALKS ON」。ジャケットで遂にアン姉さんは顔半分になってしまいましたね(苦笑)。

前作「BRIGADE」がホントに素晴らしいアルバムだったお陰で期待が凄く高かったアルバムだったけど、結果的には少々方向性に迷いが見られる作風になったのがちょっと残念だったな。曲自体は決して悪くないしむしろ力作と言っても良いレベルなんだけど、自分達の書いた楽曲に拘りを持つアン&ナンシーに対し、外部ライターの書いた曲との差が微妙に噛み合ってないといった感じで、何とかアンの歌唱力で水準をキープしているイメージがある。

「BLACK ON BLACK Ⅱ」や「RAGE」みたいなハードロックチューンもあるのに、「BACK TO AVALON」や「RING THEM BELLS」みたいにアコギでフォークっぽい曲調があったり、産業ロックスタイルの「IN WALKS THE NIGHT」や「WILL YOU BE THERE(IN THE MORNING」があって、やってる事は過去作と変わり無いしバラエティに富んでるといえば聞こえは良いけど、ドナ・サマーのカヴァー曲「THE WOMAN IN ME」や「VOODOO DOLL」みたいな微妙な楽曲も収録されてる事から「色々な楽曲集めてみました」的なニュアンスを感じてしまうのだ。

とはいえ好きな曲も結構多いんだよなあ。「IN WALKS THE NIGHT」「MY CRAZY HEAD」「RING THEM BELLS」「ANYTHING IS POSSIBLE」が今でもお気に入り。因みに「RING THEM BELLS」はボブ・ディランのカヴァー曲で、デュエットしてるのはアリス・イン・チェインズのレイン・ステイリー。相変わらず良い声してるなあ。

結局、この後ハートは「THE ROAD HOME」(アコギ主体のライブアルバム)をリリースして暫く表舞台から姿を消す事になり、再度音楽シーンに戻ってきた時は自分達の楽曲で勝負するスタイルに移行していった訳だけど、産業ロック路線のスタイルに未練タラタラな私はどーしてもシーン復帰後のアルバムには手は出せないでいる。バンドとしては健全に有り方なんだけど、それで魅力は無くなってしまうのは本末転倒というか何というか...


「WILL YOU BE THERE(IN THE MORNING)」


「IN WALKS THE NIGHT」




地味JAM尊サンのコメントを読んでるウチに久しぶりに80s魂に火が点いてしまった様で(笑)ここ最近は80s関連のモノばっか聴いてる。注文して届いたCDがあるってのにそっちは後回しって...
そんな感じなので、まだチョイスしてないモノってあったかな?とチェックしてたらこのアルバム書いてなかったんで、今回はこのアルバムをチョイス。ブライアン・アダムスの3枚目「CUTS LIKE A KNIFE」。発表は1983年。

久々に聴きましたねえ~。ブライアンと言ったらやっぱ「RECKLESS」か「INTO THE FIRE」、気が向いて「WALKING UP THE NEIGHBOURS」を聴くってな具合なんでなかなか手に取らないんですよ。
私はこの3rdアルバムで彼を知ったけど、ちょっと記憶が曖昧だけど「ベストヒットUSA」で彼が生出演してた覚えがあって、このジャケットが裏に飾られてたのを見て「ジャケットがカッコイイなあ」と思ったのが第一印象だった気がする(掛かったPVまでは覚えてないけど)。
余談だけど「ベストヒットUSA」の小林克也さんの裏に写るアルバムジャケットを部屋に飾りたいな...と思ってた時に、LPジャケットをそのまま入れて飾れる額が当時地元にあったWAVEにて¥1000以下で売ってたので、すぐさま購入して数少ないLPジャケットを入れて飾りまくってた事があったなあ。途中で枠が崩れてダメになっちゃったけど。

でも今聴いてもやっぱ良いアルバムだと思った。以前は2ndアルバムもCD持ってたけど、さすがにまだ歌い方も曲調も青臭いイメージだったので結局売ってしまった(でも「TONIGHT」は良いと思う)。しかし、このアルバムからちょっと余裕が出てきたのか、少しだけ落ち着きが感じられて聴いてて安定感を感じられた。これはプロデュースの影響があるんだろうけど。
このアルバムが作られた当時のブライアンの年齢はまだ20代前半で、「THE ONLY ONE」や「THIS TIME」みたいに全体的に爽やかな青春ロックみたいな楽曲で統一されている。

お気に入りは「THE ONLY ONE」「THIS TIME」「STRAIGHT FROM THE HEART」「CUTS LIKE A KNIFE」「DON'T LEAVE ME LONELY」辺りがベストかな。「THIS TIME」のPVは雰囲気が好きでよく観たなあ。「STRAIGHT FROM THE HEART」は、何でシングルカットしなかったのか不思議なくらい良い曲だと思うんだけどなあ。(注:地味JAM尊サン、有難うございます。インナースリーヴに”初のトップ10ヒット”と書いてありますね!失礼しました。)「DON'T LEAVE ME ALONE」はさすがに今のブライアンじゃ絶対歌わないんだろうな(笑)。

前半に好きな曲が集中してるので後半がちょっと甘いかな?と思うけど、曲作りは前作よりもかなり上がった印象を受けたし、次作でメガヒットを記録した事を考えるとこのアルバムで既に方向性が見えていたんだろうな。当時はこのテのロックは結構多かったと思うけど、その大勢の中でも初のトップ10ヒットを記録した本作が彼の実力を見せ付けた証だと思う。ホント、良い時代だったな。


「THIS TIME」


「CUTS LIKE A KNIFE」




先日、ZZトップのCD4枚まとめ買いして暫くガンガン聴いていてやっぱ良いなあ...と悦に浸って何気にネットで色々調べてるウチに、ビリー・ギボンズがソロ作を出している事を知ったのでその流れでCDが欲しくなり、思わず手を出してしまった。バンド結成45年(!)にして初のソロアルバムとなる「PERFECTAMUNDO」を今回はチョイス。発表は2016年(国内発売)。

そもそも何でソロアルバムを作ろうとしたのかよく分からなかったので、色々調べたらハヴァナ・ジャズ・フェスティヴァルというフェスに出演することがそもそもの切っ掛けだったらしく、そこで他ミュージシャンに感化されてアフロ・キューバン・スタイルの音源を作るトコからスタートしたらしい。

ZZトップでは、ブルーズとハードロックを基盤に作られてる楽曲が多いけど、アフロ・キューバン的要素はそれほど感じない。でも御大から言わせるとブルーズもアフロ・キューバンも元々のルーツは西アフリカが起源とされているので、2つの音楽を解釈する事で同じDNAを感じられるのではないか?と興味があったらしい。
なので、全体的にいつものZZトップで演っているブルーズスタイルは鳴りを潜めて、今回は蒸し暑いビーチで冷たいカクテルがよく似合う様な小気味良い音楽性を披露している。雰囲気はまるでマイアミのクラブ辺りで掛かりそうな音と言えばお分かりだろうか?

だからといってロックテイストが感じられないかというとそうではなく、やはりそこはギタリストとして名を馳せた御大ならではの素晴らしいプレイが堪能出来る。最近のZZトップで感じられるファズで歪んだ音ではなく、サンタナとはまた違うラテンスタイルのプレイを提示しているのも面白い。
更に、最近のアルバムでも顕著なヒップホップ的なアプローチが入ったりして実験的要素も忘れていない。クロスオーバーまではいかないけど、ちょっとした遊び心が聴いてて楽しめる作りとなっている。

しかし、御大のこの年齢になっても未だに新たなスタイルに挑戦し続ける姿勢はホントに素晴らしい。「自分が聴きたい音楽と思う様な音楽を作る」事をモットーとしてるみたいで、それをリスナーが楽しんでくれて自分のスタイルを見付ける事がベストと語る御大は、さすが長年プレイし続けてるのも分かる気がする。
いやはや、ホントに恐れ入りました。これから夏に向けて聴く機会が増える様な心地良いアルバムですよ!!


「TREAT HER RIGHT」


「PICKIN' UP CHICKS ON DOWLING STREET」




今日、たまたま車でFM聴いてたらデフ・レパードの「PHOTOGRAPH」が掛かって随分懐かしいなあ...と感慨。そーいやもう30年以上も前の曲だし。この曲って中学生の頃に土曜の朝放送されてた(確か日テレだったと思う)情報番組でよく取り上げられてたのを覚えていて、この時はデフ・レパードが何者か全く分からなかったんだけど「PYROMANIA」のジャケをはっきり覚えてたので記憶に残ってるんだよなあ。

という訳で久々にLEPPSを取り上げてみようかと思い、ちょいと趣旨の違うモノで彼等初のカヴァーアルバム「YEAH!」をチョイス。発表は2006年。
そーいや彼等の歴史の中でカヴァーソングというモノは余り聴いた事がない。ライブではCCRの曲とかを演ってるという話を聴いた事があったけど、実際に音源となってるモノはそれほど多くないのでは?
そんな彼等が何故カヴァーアルバムを作ろうと思った経緯はよく知らないけど、実際に並んだナンバーを聴いてみると音楽嗜好が幅広いジョー・エリオットが如何にも好きそうなナンバーがずらりと並んでいる。

普通にロックを聴いてきた人でピンと来るのはやっぱT・レックスの「20TH CENTURY BOY」だろうなあ。コレは普通にカッコイイし、LEPPSのイメージにも合ってると思う。しかし、殆どの他の曲が余りにもマニアック過ぎる選曲なので、アルバム全体で聴くとかなり散漫な印象を受ける。デヴィッド・エセックスの「ROCK ON」なんて全く知らない曲だったし、確かライブ盤の「MIRROR BALL」にこの曲が収録されているのだけど、最初聴いた時は「何だ、この地味な曲は?」と不思議に思ったモノだ。同様にジョン・コンゴスの「STEP ON」も全く知らない曲だった(ついでに人物も全く知らない)。

HM/HR界隈だとシン・リジィの「DON'T BELIEVE A WORD」(邦題:甘い言葉に気をつけろ)くらい。意外だったのはブロンディの「HANGING ON THE TELEPHONE」とかロキシー・ミュージックの「STREET LIFE」かな。デボラ・ハリーやブライアン・フェリーの曲をジョーが歌うって何か変な気分だし(苦笑)。
デヴィッド・ボウイ「DRIVE-IN SATURDAY」やキンクス「WATERLOO SUNSET」、スウィート「HELL RAISER」やモット・ザ・フープル
「THE GOLDEN AGE OF ROCK 'N' ROLL」は何となく想定内のレベルだし、トム・ぺティ&ザ・ハートブレイカーズ「AMERICAN GIRL」やフェイセズ「STAY WITH ME」辺りも前述のCCRのカヴァー演ってたくらいだから特に意外性は感じない。

私的なハイライトはやっぱモット・ザ・フープルかな?ジョーは熱狂的なモットのファンだったという話だし、曲もバンドのイメージにピッタリで良いと思う。バッド・フィンガーの「NO MATTER WHAT」(邦題:嵐の恋)も色んなバンドがカヴァーしてるけど意外にもフィットして面白い仕上がりになっている。

オリジナルアルバムでは音の作り込みが緻密過ぎてアルバム完成が遅れるバンドとして有名な彼等だけど、このアルバムに関しては選曲や演奏はリラックスして楽しんで作ったという印象を感じた。たまにはこういうアルバムも面白いけど、やっぱオリジナルアルバムと比べると趣旨が違うのであくまでも”別モノ”として捉えるのがベストなんだろうなあ。


「20TH CENTURY BOY」


「NO MATTER WHAT」