
今回はレニー・ウルフ率いるキングダム・カムの3rdアルバム「HANDS OF TIME」をチョイス。発表は1991年。先日の廉価盤¥1080で購入したモノですな。ジャケットが全く彼等らしくない雰囲気だけど、こういうハードロックっぽくないイメージは逆に結構好きだな。
彼等の1stアルバムも以前ここに書いたけど、そのCDは輸入盤の中古で¥580くらいで買ったモノで、安値で売る理由も分かるくらい中身がボロボロでキズもビシバシ入ってるCランク品と言ってもいいくらいのモノだったので、今回の廉価盤再発に併せて彼等のCD3枚買ったのだ。2ndアルバムも持ってたハズなんだけど、いつの間にか無くなってたんで知らないウチにCD売りに出してしまったか、友人に貸したまま忘れてしまったのかのどちらかだろうな。
でも、この3rdアルバムは全く聴いた事がなかった。当時のBURRN!のアルバムレビューでも見た記憶があるからリリースされたのは覚えてるんだけど、その頃には特に興味も無くなってたので追う事もなかったという。
デビューアルバムでキングダム・カムといえばZEPクローンという図式が完全に出来上がってしまったので、続く2ndアルバムで敢えてスタイルを変えたら注目されなくなったという実に分かりやすい活動(苦笑)のお陰でバンドは崩壊し、このアルバムでは遂にレニー・ウルフ一人となってキングダム・カムというユニット名になったとの事らしいけど、何故そんなにバンド名に拘ったのだろうか?確かに1stアルバムは注目されたけど、レニー自身の声質がロバート・プラントにクリソツで音楽性もツェッペリンを意識したモノだったら誰だって驚くと思うし、現にプラント本人から類似性を指摘されて、ゲイリー・ムーアからは「敬意が感じられない」とコケにされた楽曲まで作られたりと、どちらかというとネガティヴなイメージしか残らなかったバンド名を使い続けるのはこの名前に思い入れがあるからなんだろうなあ。まあ、レコード会社からは「アルバム売る為には手段を選ぶな!」とでも言われたんだろうけど(苦笑)。
そんな訳で、このアルバムではドラム以外は全てレニーがプレイしているみたいで、ゲストで一時期ポイズンに加入してたブルース・サラセノが3曲でプレイしている。
自分自身で全てをこなす事で功を成したのかどうか分からないけど、良い意味で吹っ切れた作風となっているのがこのアルバムの特徴かと。ツェッペリンっぽさは余り感じないし...と言っても、そもそも私は1stアルバム自体数曲除いてはツェッペリンっぽいとは思わないし、レニーの声質がプラントに近いから”=ツェッペリン”という評価をいただいたんじゃないかと。つくづく可哀相だよなあ...
至ってメロディアスなハードロックのスタイルで、ミドルテンポの楽曲が多いのでメリハリが余り感じられないのかもしれないけど、その分じっくりと聴かせる様な印象を受けた。ただ、楽曲の練りが足りないのか結構地味に聴こえるモノもあるので、そこが惜しい点かな。「I'VE BEEN TRYING」や「SHOULD I」なんかはやっぱツェッペリンの影がチラつくけど、何でこの曲のPVなんか作っちゃうかなあ?また叩かれそうな感じの曲だし(苦笑)。
バンド崩壊後の意味不明な新作...という事で案の定、このアルバムは全く見向きもされなかった様でセールスも全く奮わなかったけど、このアルバムは結構気に入りましたねえ。地味でありながらもジワジワとメロディが響いてくる感覚のHR...と書くと何かイマイチっぽいけど(苦笑)せめてバンド名に拘らないで活動していればまた違った印象も受けたのではなかろうか?
「SHOULD I」
「STAY」
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