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ネットで注文してたモノがなかなか届かないでヤキモキしてたのだけど、ようやく届いて一安心。
その中の一つ、グレン・ヒューズ初のムック本「ザ・ライフ・オブ・グレン・ヒューズ」が素晴らしい内容でちょっと感動。¥2400(税抜き)とムック本にしては高額だったけど、私はグレンのファンだから問答無用で買ったらここまで濃い内容だったとは正直思ってなかった。ヒストリーやディスコグラフティー、参加アルバムや機材などが網羅されており、過去のインタビューやコラボしたミュージシャンなどもフューチャーされている。知らなかった話も結構明かされているし、こういう話を知るとかなり波乱万丈なミュージシャン人生だったんだなと改めて驚くし、また80年代の殆どをドラッグ癖でキャリアを棒に振った事が残念でならない。

グレンのファンがここ日本にどれだけ存在するのか分からないけど、こういうムック本が発売されるとは思わなかったし、しかも内容がここまで濃密に記されているモノだとは思わなかったんで久々に買って良かった本でした。この本を御大本人に渡したら凄く喜んでくれるんじゃないかな?

そんな御大の2006年発表の「MUSIC FOR THE DIVINE」を今回はチョイス。
前作「SOUL MOVER」が、御大にとって自身の納得出来る方向性を見出した作品である事はグレンのファンなら周知の事実だけど、ここまでの道のりはホントに長かった。ソロアルバムでは完全にR&Bスタイル、復活作だった「FROM NOW ON...」ではAORスタイルの北欧HR、続く「FEEL」でまたR&Bスタイル、「ADDICTION」ではヘヴィロック...と様々なスタイルを展開しており、ファンとしては何でも歌えばグレン・ヒューズなんだろうけどこう何度もスタイルを変えると結局は何がやりたいの?という事になってしまう。

私は「ADDICTION」期の日本公演を観てるけど、この時のライブは「ADDICTION」やディープ・パープルの楽曲は勿論、トラピーズやヒューズ/スロールの曲なども飛び出してそれまでのキャリアを振り返る様な内容だったので非常に面白かった記憶がある。以前から言ってる様にパープルナンバーはもういいって思ってたけど(笑)パープル期からのファンはやっぱ外せないんだろうなあ。

それはともかく、前作で示せた方向性を更に突き詰めたのがこのアルバムの特徴かと思うけど、前作との違いが決定的なのがサウンドプロダクション。前作は濃厚なヘヴィグルーヴが全体を占めていたのに対し、このアルバムではかなり淡白な音作りになっている。これだけで前作とは印象が大分変わったと思うし、最初聴いた時は随分あっさりしてるなあ~と感じたくらいなので地味な印象だった。

また楽曲の幅も、前作同様ファンク色の強い楽曲の中にアコギをフューチャーした「THIS HOUSE」や「FRAIL」、「THE DIVINE」みたいな楽曲が入ってる事から前作よりも少しだけ間口を広げた感じなので、人によってはこのアルバムの方が聴き易い印象があるかも。
御大と一緒に共同プロデュースしているレッド・ホット・チリ・ペッパーズのドラマー:チャド・スミスの影響なのか、レッチリっぽい雰囲気がちらほら感じられるのも前作にはなかった展開だし、同じバンドメンバーだったジョン・フルシャンテもゲスト参加しているのも影響ある感じがする。
このアルバムでのお気に入りは「BLACK LIGHT」と「TOO HIGH」。どちらもお得意のファンキーなHRでグレンのシャウトも実に心地良い。

続く次作でも同路線を踏襲している事から、前作と今作を併せてトリロジー的な意味合いを持つらしい。前作や次作が気に入ったなら勿論今作も必聴なのだけど、前作や次作の方がメリハリのはっきりしている音像なので、アルバムジャケットも含めやはり地味な印象は拭えないかな?でも実に御大らしい作品である事は間違いないけど。


「BLACK LIGHT」


「TOO HIGH」
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最近は、歌の上手いボーカリストという人達がどうしても大御所とか中堅のミュージシャンばかり取り上げられて、歌が上手い若いボーカリストが余り知られていない感じがする。私がHM/HR系で歌の上手いシンガーといって思い付くのはロニー・ジェイムズ・ディオやグレン・ヒューズ、(昔の)デヴィッド・カヴァデールやグラハム・ボネット、クラウス・マイネやダニー・ボウズ...と名前を挙げるだけでも既にキャリアを重ねた人達ばかりになってしまうし、HM/HR系以外のボーカリストとなると更に大御所や超有名なボーカリストが挙がる事になると思うし。

そんな事を思いながら、今私が思う歌の上手い若いボーカリストは?という事で、以前2ndアルバムをレビューしたネイサン・ジェイムズ率いるイングロリアスのデビューアルバム「INGLORIOUS」を今回はチョイスした。発表は2016年。

元々ネイサン・ジェイムズはマイナーバンドで活動して自主制作でカヴァーアルバムを作ったくらいのキャリアしかなかったけど、ウリ・ジョン・ロートのツアーメンバーに抜擢されてメジャーに昇格したのは良いけど、既にイングロリアスの活動を念頭に置いてたみたいで途中でツアーを離脱したのを機にアルバム製作に着手したという話みたい。
このアルバムで聴けるネイサンの歌唱力は、新人ボーカリストというよりは既にキャリアを積んでる様な堂々とした歌いっぷりで若いバンドとは思えないほどの完成度だと思う。2ndアルバムのレビューでも書いたけど、デヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズの良いトコ取りの様なスタイルはディープ・パープルが好きな人は勿論、クラッシックロックが好きな人にも十分アピール出来るモノかと。

音楽性も古き良きブリティッシュハードロックを継承するスタイルで、今のバンドらしく幾分重いリフを基礎としたラウドロックっぽい雰囲気も感じさせるけど、古典的なHRを現代的な解釈でプレイするスタイルは正に私好みのサウンドで満足。まだ全然キャリアも浅いのにバンドとしては成熟したモノすら感じさせるバンドというのも珍しいかと。
インナースリーヴに書かれてるけど、このアルバムの録音時にはそれぞれ個別に録るのではなく全員が同時にクリックなしでプレイし、ボーカルのピッチ調整もオーヴァーダブもなしで録られたらしい。確かにドライブ感に溢れてる感覚はこれが理由なのかも。

お気に入りはPVも作られた「UNTIL I DIE」や「UNAWARE」、ディープ・パープルみたいな疾走感が心地良い「BREAKAWAY」、元メガデスのアル・ピトレリが曲作りに参加しているブルージーな「HIGH FLYING GYPSY」や「HOLY WATER」が好みかな。

ここ日本ではこのデビューアルバムは殆ど話題にならなかったけど、2ndアルバムが翌年に完成した事から活動はまずまずの様で私的にはこれから期待の掛かるバンドの一つかと。
私は偶然ネットでその存在を知ったけど、ホントに良いバンドを見付けられて良かったと思う。既にキャリアの長いバンドはこれから先の活動は先が短いしいつ活動を終えてもおかしくない状況の中で、こういった古き良きHRを現代に継承するバンドがいる事は実に頼もしい存在かと。早く新作が聴きたいぞ!


「UNTIL I DIE」


「UNAWARE」




前回のザ・マグパイ・サルートのお陰で田舎ロックばっか聴いてるんで、このアルバムも引っ張り出して一緒に聴きまくってる。スーパーソニック・ブルーズ・マシーンの2ndアルバム「CALIFORNISOUL」を今回はチョイス。リリースは1stアルバムのリリースから1年後の2017年発表。

このアルバムは1stアルバムと同時に購入して、その時は先に1stアルバムばっか聴いてたお陰でなかなかこのアルバムを手にする事がなかったので後から聴いたのだけど、結論からいうと前作同様ゲストミュージシャンを迎えて楽しんで作ってみました的なノリが色濃く出た感じで、前作が気に入った人は勿論今作も気に入る作品だと思う。

ただ前作はデビューアルバムという事で幾分気合いが入ってた印象を受けたけど、今作は逆に気負いを感じさせないリラックスした雰囲気を感じたかな。サザンロック的なノリは後退し、昔の古臭いソウルっぽい雰囲気が全体的に渋さを感じさせるのも前作とは一味違うので面白い。

前作でのゲストだったZZトップのビリー・ギボンズや、エリック・ゲイルズ、ロベン・フォード、ウォルター・トラウトといったメンツが引き続き参加してる事からよほどこのアルバムの製作が楽しかったんだろうなと思わせるし、また前作同様に素晴らしいプレイを披露してるのも魅力的なんだけど、今回は更にTOTOのスティーヴ・ルカサーまでが参加。これはベーシストのファブリツィオ・グロッシーがルカサーと以前一緒に仕事をした縁で実現したらしい。前作で素晴らしいプレイを披露してたウォーレン・へインズが参加してないのが残念。因みに、この人がオールマン・ブラザーズ・バンドのメンバーだったのは全く知りませんでした(っていうか、ABB自体まともに聴いてないんで...)。

お気に入りはちょっとサンタナっぽい雰囲気を感じさせる「THE ONE」、ファンキーなノリの「BAD BOYS」「THE STRANGER」、やはりビリー・ギボンズ御大が参加するとZZトップなノリになる(笑)「BROKEN HEART」、前作で好きなプレイに挙げたウォルター・トラウト参加のバラード「WHAT'S WRONG」辺りが好きかな。

本格的なブルーズではなく、基本はロックで色んなジャンルの影響を受けながら様々なスタイルを取り入れても全体的には一本筋が通ってるアルバム...という事で、このテのロックが好きな人には堪らない作風となってるのだけど、実際このバンドってどのくらい売れているのだろうか?2作目出すという事はそれなりに順調な活動なんだろうけど、ここ日本ではまず知名度が低いから全く詳細が伝わってこないのがちょっと寂しい。こんな現状なんで来日公演なんてとても観られそうもないけど、もしもライブを観る機会があれば是非観てみたいバンドなんだよなあ。

「ELEVATE」(feat. ERIC GALES)


「THE ONE」




久しぶりの新譜です。最近は特に欲しいモノも見当たらなかったんで無理して買う事もないし、中古とか漁ってるとキリがないから、いつもの金欠を抑える為にも良い機会だったと言うことで。
さて、待ち侘びた新譜というのが、元ブラック・クロウズのギタリストだったリッチ・ロビンソン率いるザ・マグパイ・サルートのデビューアルバム「HIGH WATER Ⅰ」。全世界同時発売らしいので国内盤で購入しました。

鴉団が解散したのは確か2015年だったと思うけど、リッチの兄クリス・ロビンソンが相当わがままに振舞ったお陰でバンドが崩壊したという。まあ確かにクリスがバンドの顔みたいな感じだったので自分のバンドをどうしようが彼の一存で決まってたんだろうけど、これに異を唱えたのが弟リッチで、リッチの持ってるバンドの権利の譲渡とドラマーの権利を全てクリスに譲渡し、今後は雇われメンバーとなれという無茶振りな要求をされたのが理由だったらしい。
そりゃリッチだって曲書いてるんだから、その才能と権利を兄貴が奪うなんてふざけた話だけど、そんな条件飲む訳ない要求を出したクリスは単にバンドを解散させたかっただけなんじゃないかと思う。それにしても、もっと普通に話し合いとか出来なかったんかな?

ともかく、80年代から続いてたバンドは終焉を迎えた訳だけど、クリスもリッチもそれぞれ自身のバンドやソロ活動を始めた訳で、リッチはまずソロ活動に重点を置いてソロ作を数枚リリースしていて、途中バッド・カンパニーの再結成に参加したみたいだけど、この新バンド:ザ・マグパイ・サルートを結成したのは意図的ではなく、自然の成り行きで出来たとの事。

バンドメンバーには元鴉団のマーク・フォードやスヴェン・バイビーンなどが参加しているので、鴉団の面影が見えてくるのは当然の事だけど、ボーカルのジョン・ホッグの声質がクリス・ロビンソンのそれとはまた別モノなので(あの声質に近い人の方が稀だから当然だけど)鴉団の楽曲が苦手だった人には逆に受け入れられるんじゃないかと。そのジョン・ホッグは、リッチ自身も語ってるけど何処となくロッド・スチュワートの雰囲気が感じられてなかなか面白い。曲によってはスティーヴン・タイラーみたいにも聴こえたりするし。

デビューアルバムと書いたけど、実際にはこのバンド名義で1枚ライブ盤を出している。そのジャケットには10人近くのメンバーが写っていて、その当時はあくまでも仲間が集まってライブを演って楽しもうというノリで活動してたらしいので、楽曲も鴉団のカヴァーや他のバンドの曲などをプレイするに留まってたと。そして改めてアルバムを作ろう...という段階になってメンバー編成を行なった結果5人組となったらしい。

私は先行で発表された「SEND ME AN OMEN」と「FOR THE WIND」を聴いて、一発で気に入ったからこのアルバム買った様なモノなので、他の楽曲も非常に心地良いサザンロックを聴かせてくれて非常に満足。ハードロック的なノリは余り感じず、サイケデリックなフェイセズみたいな雰囲気が一番近いかな。
ただ、楽曲がコンパクトにまとまってるお陰でアレンジがあっさりした感じになってるのがちょっと気になるけど、デビュー作としては十分な出来はさすが元鴉団といったところか。

クリスのバンドの方はYOU TUBEでチェックしたら、全体的に軽めの雰囲気が余り好みの路線ではなかったので購入はしてないのだけど、その分このバンドに掛かる期待はアルバムを聴いて確信に変わったと思う。ホントに良いバンドだわ、素晴らしい!


「SEND ME AN OMEN」


「FOR THE WIND」




そろそろ80s系も打ち止めか?と思いきや、まだまだ続いている毎日(って引っ張りすぎ?)。で、今回のお題はこれまた久しぶりに引っ張り出してきたロバート・パーマーの通産9作目のアルバム「HEAVY NOVA」をチョイス。発表は1988年。

70年代中期あたりにソロデビューしてたので(デビュー以前に既に音楽活動はしていたらしい)このアルバムの時点で既に9作目というのもキャリアが長くて意外な感じだけど、私が彼を知ったのは勿論パワー・ステーションの時で、サイドプロジェクトでありながらも完成度が高いアルバムはリリース当時からのお気に入りだった。その流れに乗ってリリースされた前作「RIPTIDE」も大ヒットして、シングル「ADDICTED TO LOVE」(邦題:恋におぼれて)は全米No.1獲得。その流れに再度乗ってリリースされたのがこのアルバム。

彼自身、パワー・ステーションでの活動は相当刺激になったみたいで、アルバムもヒットしてたのにツアーには参加しないで自身のソロに目を向けて活動した事はしたたかというか何というか...それまで彼のルーツには無かったヘヴィメタルとボサノヴァの融合という意味合いで「HEAVY NOVA」と名付けられたという話らしい。

なので、じゃあメタルやボサ・ノヴァっぽいのか?と問われるとそれは違うと思う(苦笑)。確かにシングルになった「SIMPLY IRRESISTIBLE」(邦題:この愛にすべてを)にはギターがギャンギャン鳴ってるし、ボサ・ノヴァ特有のリズムとか所々でその雰囲気は感じられるけど、融合というよりは形式をなぞった様なモノに近いと思う。それどころか、メタルやボサ・ノヴァに留まらずヨーデル(!)とか色んなスタイルが混在してる事から本当に自身が好きなモノをどんどんぶち込んで創り上げたアルバムなんだなあ...と感じられるのがこのアルバムの特徴かと。

その「SIMPLY IRRESISTIBLE」のPVは前作「ADDICTED TO LOVE」でのPVになぞったモノで、はっきりいって二番煎じ(笑)。変わった点は周りのマネキンみたいな美女軍団が水着になって踊ってるくらいなモノだし。自身のセルフパロディじゃんかと。しかし、シングルはきっちり大ヒットしてる(惜しくも全米No.1は逃したけど)。

今改めて聴くと後半の流れが凄く良い。「SHE MAKES MY DAY」での甘いバラードや、「BETWEEN US」(邦題:愛に身をまかせ)がボサノヴァそのまんまのスタイルなので、こういう曲をさらりとやってのける事自体上手いシンガーなんだなあと実感。「CASTING A SPELL」でのキレの良いのファンク路線や、最初聴いた時はマイコーがデュエットしてるのかと勘違いした(実際にはBJ.ネルソンなる人物)「TELL ME I'M NOT DREAMING」(邦題:もしかして恋)も結構好きだ。
あとこのアルバム聴いて後に驚いたのは、このアルバムの翌年リリースされたCOMPLEXのアルバムに収録されている「CRUSH COMPLEXION」のギターリフが2曲目の「MORE THAN EVER」(邦題:つのる想い)にそっくりだった事。余り指摘されてないみたいだけど、最初聴いた時はマジで驚いたなあ。パクりがどうこうとか言うつもりは無いけど、たまたま偶然だったのかな?とは思ったな。

このアルバムで人気も確定されたか?と思いきや、このアルバム以降は徐々にセールスも落ちてしまったけど、当の本人は元々ヒット願望なんか無かったみたいで”好きな事を自由に出来る環境さえあればそれで良い”みたいな発言もしてた事から、アルバムも本人が気の向くままに作っていったんだろうなあ。
しかし、若い頃から渋い路線で活動してるから若かりし頃から渋さを感じられる風貌もこの人独特なモノかと。スーツをビシッと着こなして歌うのが嫌味に感じられなくてカッコイイというのは稀な存在なのかも。


「SIMPLY IRRESISTIBLE」


「EARLY IN THE MORNING」