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まあ以前から覚悟していた事だけど、いよいよその時が来てしまった。ニール・パートがドラマー自体を引退してしまった...とゲディ・リーがインタビューで明らかにした。これで実質上ラッシュが解散してしまったという事だ。

そもそもツアーの時には「ツアーから引退するのであってアルバムの製作活動は続ける」という話だったのだけど、今のご時勢新作を出しても売れない時代だし、そこまでしてバンドを維持させたいのか?と問われると本人達の答えは違うんだろうな。最後のライブの時に普段はニールが前に出て来て3人でお辞儀するなんてなかったので、この時には既に意思は固かったんじゃないかと。
以前から体力的な問題もあったみたいだし、ゲディの声も限界に近かった事を考えるとここでバンドの幕を下ろした事は間違ってないとは思うけど、もっと明確にしてくれて、しかも最後くらいは日本に来てくれても良かったんじゃないかと思った。結局84年に行なわれた唯一の来日公演を観られなかった(つーかバンドの存在自体知らなかったし)者としては悔やんでも悔やみ切れない...ライブを観られたならまだ踏ん切りが付くのだけど、ホントに残念の一言でしかない。

そんな彼等に一目を置く切っ掛けとなった作品が、今回チョイスした通産15作目にして3枚目のライブアルバムとなった「A SHOW OF HANDS」(邦題:ラッシュ・ライブ~新約・神話大全)。リリースは1988年。

このアルバム以前にバンドを知った切っ掛けになった作品は、中古屋で買った「PRESTO」からだったのだけど、続けてこのアルバムを...というよりは、大人買いで1stからこのアルバムまで一気に買ったんだよなあ...クイーンのCDも(「FLASH GORDON」を除いて)一気に大人買いをしたんだけど、幾ら興味のあるバンドだからといって今じゃ絶対にこんな真似出来ないわ(苦笑)。
そもそも当時からラッシュは日本じゃ人気がないと言われてたし、CDもいつ国内盤が無くなってもおかしくない...という事で一気に買ったんで後悔は無かったんだけど、まさか後にリマスターの紙ジャケ盤が出るなんて思わなかったよなあ...

ともあれ、このライブ盤は80年代のバンドの総決算的な意味合いを持つ内容で、当時までは根強くあった”4枚のスタジオ盤の後で1枚のライブ盤を出して音楽性を変える”というコンセプト(?)を見事に立証させるモノだった。大作志向だった70年代から、コンパクトにまとめた楽曲の80年代初期、そしてシンセサイザーやキーボードを大胆に導入した80年代後期の集大成がこのライブアルバムに収められてる。

「2112」が好きな人達にとってはこの80年代後期のバンドを毛嫌いするのも理解出来るけど、私は正直この頃の作品も大好きだし、むしろ「2112」以前の作品はそれほどでもなかったりする変な人なんで(笑)このアルバムはホントによく聴きましたねえ。ポップの何処が悪い?という感じだし、彼等ならではのポップフィーリングが十分に詰まってるので聴いてて楽しくなってくるんですよ。

選曲はホントにベストなんだけど、意外なのは80年代初期の楽曲すら収録されていない事。「2112」とか大作の収録はコンセプトに反するので入ってなくても納得出来るんだけど、それこそ「TOM SAWYER」や「THE SPIRIT OF RADIO」とか「FREEWILL」などバンドの代表曲すら入ってない構成は驚いた。あくまでも80年代中~後期の4枚のアルバムからの選曲に拘ったんだろうけど(「WITCH HUNT」と「CLOSER TO THE HEART」だけは例外で収録されている)やっぱこの当時の音で80年代初期の楽曲を聴いてみたかったのが本音かな。後に出た映像版では「2112」とか他の楽曲も収録されているけど。
あと彼等にしては珍しいシングルでスマッシュヒットになった「NEW WORLD MAN」すら収録していないのも、「シングルヒットを収録してアルバムの売り上げに貢献させよう」といった様な単純な考えじゃない、彼らならではの意地みたいなモノを感じて面白いと思う(でも聴いてみたかったけど)。

演奏面に関しては、殆ど完璧に近いのではなかろうか?元々演奏には定評のある人達だし、年齢から考えてもベストなプレイを披露出来ていたのはこの頃だったと思うのだけど。ニールのドラミングも”要塞”に囲まれて相変わらず凄さまじいプレイを披露してるけど、ゲディのベースとキーボードを同時に操るプレイはホントに凄い。BURRN!の記事で曲芸レベルと言われていたけど、そこまでして3人のアンサンブルに拘ったのは本当にミュージシャンシップの塊なんじゃないかと思う。

ラッシュ初心者にも十分お薦め出来る内容だと思うけど、あくまでもこの音楽性は彼等の一部の時期を切り取ったモノであって、長いバンドの歴史の中でも際立って異質な時期だったとも言える。ここから入って初期の大作にハマるも良し、後期の円熟した音楽性に向かうも良しで、やっぱラッシュというバンドの特異性を改めて感じた次第ですな。


ライブ本編
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何でクリスマスの夜中にこんなアルバム聴いてるんだ?と思いでしょうが、だって聴きたくなったんだからしょうがないじゃないかー(←えなり君口調で)。そんな訳で重苦しいHMが聴きたい...と思って色々聴いてるうちにこのアルバムに辿り着きました。カテドラルの最高傑作と言われる3rdアルバム「THE CARNIVAL BIZARRE」を今回はチョイス。発表は1995年。

英国出身という事で何かと比較の対象になる、同郷の大先輩ブラック・サバス直系のサウンドアプローチはこのアルバムで一つの完成形を見たと思う。相変わらずリー・ドリアンの歌はヘタっぴで、聴いてるこっちがハラハラする様な感じでもあるのだけど(笑)これを個性と受け止めるべきなのだろうか?
サバスでのオジーの歌も決して褒められたモノじゃないけど、オジーは狂気を感じさせる部分があるのに対し、リーの歌は酔っぱらいがノリで歌ってる雰囲気に近い。ドスの効いた低音ボイスは味があるのに、高音になると不安定でヘタが露出してしまうという、ちょっと残念な結果になってしまうのだ。

でも、このアルバムの凄いトコは楽曲の良さ。前作の「MIDNIGHT MOUNTAIN」で見せたグルーヴ重視のノリの良いHMで味を占めたのか、全体的にリズムパターンに工夫が見られて単なるサバスクローンに陥ってないのが良い結果に結び付いたと。それが冒頭3曲(「VAMPIRE SUN」「HOPKINS(WITCHFINDER GENERAL)」「UTOPIAN BLASTER」)に顕著に表れてるのでインパクトがかなり大きい。個人的にはこの3曲と、お得意のドゥームスタイル「NIGHT OF THE SEAGULLS」、後半の盛り上がりが素晴らしい「CARNIVAL BIZARRE」、3つの展開でグルーヴ感が増す「FANGARACTIC SUPERGORIA」がお気に入りだ。
「UTOPIAN BLASTER」には御大トニー・アイオミがゲスト参加してるのだけど、影響はそれほど感じない。何故ならギタリストのギャズ・ジェニングスがトニー・アイオミを崇拝してるので音がそのまんまだから(笑)。

ひたすら重くてスローな1stからよくここまでグルーヴを重視したアルバムを作ったモンだ...と感心するけど、これは素直に進化と取って良いと思う。ドゥームって延々聴いてると睡魔に襲われそうになるし、パターンも決まってるので迫力が足りないとつまらない音になりかねないのに、このアルバムにはそれを一切感じさせない。正直1stアルバムが苦手な私にとって、このアルバムはより正等派HMにアプローチした作品だからこそ好きなんだろうなあ。

彼等のアルバムは過去にレビューしたモノを含めて4枚持ってるけど、とりあえずこれだけあれば事は足りると思っている。既に解散してるのでもうアルバムはリリースされないけど、重苦しい英国の曇天を思わせる様な邪悪なHMが聴きたくなったらとりあえず彼等のこのアルバムを含めたCDを聴けば良いだけの事なのだから...って、聖夜に聴く音じゃない??(苦笑)


「VAMPIRE SUN」


「HOPKINS(WITCHFINDER GENERAL)」




先日タワレコでキャンセルした時に、このCDだけは注文した時に特価¥1123で売られてたのでキャンセルにはならず無事ウチに届いたので、今回はこのスリー・ライオンズのデビューアルバム「THREE LIONS」を紹介。発表は今から4年前の2014年。CDケースに少しヒビが入ってたけど、安かったらまあいいかと。

全く知らなかったバンドだけど、レーベルがマーキーでジャケがメロディアスハードっぽい雰囲気だったので調べてみたら、何と元テン/現デアーのギタリスト:ヴィニー・バーンズが同じくテンで一緒だったドラムのグレッグ・モーガンと共に、ソロシンガーとしてデビュー予定だったナイジェル・ベイリーをシンガーに迎えてのバンド結成だったという事で、まずはYOU TUBEでPVになった「TROUBLE IN A RED DRESS」をチェックしたら、コレが見事なまでのメロディアスハード路線だったので、金額も金額だし直ぐにポチったという訳。

ヴィニー・バーンズの実力はテンでの活動で十分知ってたので何も不安は無かったのだけど、ボーカルのナイジェル・ベイリーって人は全く知らない無名なのでその辺がポイントだろうな...と思いながら聴いていたら、さすがソロデビューさせるだけの事はあるシンガーで、声質はテンのゲイリー・ヒューズみたいな雰囲気もあるけどゲイリーよりも高音を出せるのでより幅広い表現力を持った良いシンガーだと思った。惜しむのはルックスが普通のおじさんってトコくらいか(苦笑)。

ヴィニーがギタリスト、シンガーがゲイリー・ヒューズっぽい雰囲気...とくればテンの再来か!?と思うのが普通だろうけど、音楽性は同じメロディアスハード系であってもテンよりはアップテンポの楽曲が多いし、楽曲によってはAORの範疇に入っててもおかしくない楽曲もあるので、意外とさらりと聴けるのが特徴かも。ジャーニーからの影響も少し感じられるかな。
とはいえ、HRスタイルのナンバーではヴィニーが思いっ切り弾きまくってたりするので、テンからのファンであっても十分楽しめるアルバムになっていると思う。

従来のメロディアスハード系のスタイルも勿論良いんだけど、「WINTER SUN」や「TWO HEARTS BEAT AS ONE」、「KATHMANDU」の様なミドルテンポでじっくり聴かせる楽曲の方がより魅力的に感じたので、そういう意味では演奏面よりも楽曲で勝負しているのがよく分かるかと。素直に良いアルバムで、格安で買えたのは嬉しい誤算でしたよ!

インナースリーヴでは「これはプロジェクトではなくてバンドだ」という事をグレッグ・モーガンが語ったらしいけど、残念ながら新作が4年経っても発売されないトコみるともうバンドは消滅してしまったのかも。ヴィニーも古巣のデアーに復帰してしまったし、このテのスタイルにありがちなレーベル側がメンバーを引き寄せてアルバム製作...という流れだったのかも(そうです、このバンドはフロンティアーズ・レコーズからのリリース!)。せっかくこれだけのアルバム作ったのに何か勿体無いよなあ...


「TROUBLE IN A RED DRESS」


「TWO HEARTS BEAT AS ONE」




フライヤーズポンタさんのブログにてユーライア・ヒープの事が書かれてたのを思い出し、そーいや最近新作出してたよなあ~と調べてYOU TUBEでチェックしたらなかなかカッコ良かったんで、ちょっと興味が湧いてタワレコで注文しておいたCDが全然来ないからそのCDをキャンセルして早速この新作を買ってみました。
という訳で、今回はユーライア・ヒープ通産25作目となる「LIVING THE DREAM」(邦題:桃源郷)をチョイス。

ユーライア・ヒープはそれほど詳しい訳ではなく、以前中古で3枚組のベスト盤を買って聴いてたくらいでそれほどハマらなかったのだけど(この件に関しては後に3枚組のベスト盤をチョイスした時に書こうと思う)この新作はそんなバンドに対して無知な私にでもかなり耳を惹く良曲が多く収められていると思う。
結成から50年近くも経っているのに未だにハードロックをプレイし続けるミック・ボックスにはホントに恐れ入るし、ただの懐古趣味に走ってる訳ではないバンドにも正直驚いた。熟練されたプレイに安定感がある上、躍動感に溢れている音が今のバンドを良い状態に保っているんじゃないかと感じたくらいだ。

ディープ・パープルを想起させる、オルガンとギターのユニゾンが心地良い疾走感溢れる冒頭の「GRAZED BY HEAVEN」(邦題:禁断の果実)に、どういう経緯で参加したのか分からないけどあのジェフ・スコット・ソートがクレジットされている。そのジェフの影響が殆ど感じられないのも凄いけど、この1曲でほぼ勝負あったといった感じだ。

こういった大御所バンドにありがちな”過去の名曲をプレイする為に新作をリリースする”という様な後ろ向きな姿勢が殆ど感じられない、むしろ”このアルバムの為にライブをする”といった様な攻めの姿勢が非常に魅力的に感じた。これが70過ぎた爺さんのいるバンドか?と、マジでカッコ良過ぎるだろ!!

全10曲と最近のアルバムにしては曲数が少ないけど、ほぼ全曲お気に入りで特に大作の「ROCKS IN THE ROAD」(邦題:前を向いて歩こう)の曲構成は威厳に満ちてて素晴らしい出来。国内盤には「GRAZED BY HEAVEN」と「TAKE AWAY MY SOUL」(邦題:不安な日々)の別バージョンが収録されているのだけど、「GRAZED BY HEAVEN」は前奏にオルガンソロが入ってるこっちの方がアルバムの冒頭に良かったんじゃないかと思う。
あと国内盤は全ての曲に邦題が付いてるのだけど、こういう昔のバンドのアルバムみたいに色々付けるのは今の時代にどうなんだろう?と思った。いつぞやのAC/DCみたいに無理矢理な感じもあるんで、こういうのはほどほどにしてほしいんだけどねえ...

しかし、ホントに恐れ入りました。バンドに思い入れの無い私だから絶賛してるけど、昔からのファンはこのアルバムをどう捉えているのかが逆に興味あるかも。少なくとも私は楽しめたので、そのうち過去作をリメイクしたアルバムとかここ最近の数作とかちょっとチェックしてみたくなりましたね。...しかし、この音でホントにビルボードでライブ演るの??チッタの方が良いと思うんだけど...


「GRAZED BY HEAVEN」


「ROCKS IN THE ROAD」




危ない×2。こんなモノがリリースされていたなんて全く知らなかったんで思わず見逃すトコでしたよ。
たまたま覗いたディスクユニオンのネットショップにて情報を知った、オリジナルメンバーでのイット・バイツの(ファンにとっては驚愕であろう)5枚組ライブアルバム集「LIVE IN LONDON」をやっとの思いで入手しました。

この情報を知ったのは10月13日。DUのサイトにはリリース日が10月10日となっており、限定販売の文字があって既に売り切れ状態。冷や汗モノで慌てて色んなサイトにて詳細を調べてみたらHMVにて10月16日と書いてあったので即予約入れた。金額がDUよりも¥3300くらい高かったけど、手に入れる為には仕方ないか...と思い16日を待ったのだけど、当日になったら売り切れの文字が。

その後HMVに入荷するのかどうか確認取ってもらったトコ12月下旬~1月初旬との事で、それなら一度キャンセルして様子見にしてDUのサイトをちょこちょこチェックしてたら”売り切れ”の文字から”5日~30日までの間に出荷”に切り替わってたので、早速予約入れたら1週間もしないウチに我が家に届いた...という、何とも焦りまくったけど無事手に入れる事が出来て満足ですよ!

一体どういう経緯でこのBOXセットが発売される事になったのか全く詳細は分からないのだけど、現メンバーのボブ・ダルトンが以前の「LIVE IN JAPAN」のDVD同様にリリースしたのだと思う。元メンバーのフランシス・ダナリーは全く関与してないだろうし、現メンバーのジョン・ベックは元マリリオンのフィッシュとのツアーで忙しいだろうし、現在のイット・バイツが休業状態という事もあって金銭的に困ってるのはボブだけだろうし(苦笑)。何はともあれ、こういった隠し玉を持ってるならとっとと出してくれれば良いのに...正直嬉しいサプライズでしたよ。

内容は、1986年6月21日マーキーで行なわれたライブが1枚、1988年5月13日アストリアで行なわれたライブが2枚、1990年4月7日ハマースミス・オデオンで行なわれたライブが2枚という感じ。正にバンドがアルバム毎にツアーを行なった記録を収めた貴重なライブ音源かと。

まず1986年マーキーでのライブの曲目は以下の通り。

1.INTRO
2.TURN ME LOOSE
3.ALL IN RED
4.BLACK DECEMBER
5.WHOLE NEW WORLD
6.YOU'LL NEVER GO TO HEAVEN
7.SCREAMING ON THE BEACHES
8.CALLING ALL THE HEROES

以前リリースされた「LIVE IN MONTRUX」に近いセットリストだけど、モントレーのライブは1987年なのでこっちはデビュー当時のライブという事がまず貴重かと。過去にリリースされたライブ盤みたいに曲間を繋ぐ構成ではなく1曲ずつきっちり終わってるので何か新鮮な印象を受ける(笑)。
メンバーのプレイがスタジオ盤よりも若干早めにプレイされていて躍動感溢れる感じが心地良いけど、フランシスのギタープレイはまだ青臭い(「YOU'LL NEVER GO TO HEAVEN」の中間部のソロは後のプレイと比べるとかなり中途半端で、フランシスだったらこの音源はリリースしたくないんだろうな...と思わせる内容かと)。
それでもあの若さでこのプレイ自体凄い事ではあるんだけど、この時点でアレンジの骨格は既に出来上がっていてそこから段々と肉付けしていったんだろうなあ...というイメージが浮かぶ。「WHOLE NEW WORLD」のライブverは初めて聴いたので凄く新鮮だったな。あとこの時点で既に「BLACK DECEMBER」がプレイされているのも見逃せない。

続いて1988年アストリアでの曲目は以下の通り。

-DISK 1-
1.KISS LIKE JUDAS
2.BLACK DECEMBER
3.PLASTIC DREAMER
4.OLD MAN AND THE ANGEL
5.HUNTING THE WHALE
6.YELLOW CHRISTIAN
7.YOU'LL NEVER GO TO HEAVEN

-DISK 2-
1.MIDNIGHT
2.ROSE MARIE
3.SCREAMING ON THE BEACHES
4.CALLING ALL THE HEROES
5.ONCE AROUND THE WORLD

2ndアルバム「ONCE AROUND THE WORLD」のツアーなので、個人的には最もテンションが上がる内容(笑)。マーキーライブと比べるとかなり演奏がこなれているのがよく分かるのが第一印象かと。「OLD MAN AND THE ANGEL」のアレンジはこの時点で既に出来上がっており、「ONCE AROUND THE WORLD」の様な15分超えの大作も難なくこなしているのはバンドの成長を感じさせて、やっぱバンドの全盛期はこの時期だったんだろうなあ。
「BLACK DECEMBER」のアレンジが後のライブverと違うけど、ギターリフから入るこのアレンジは非常にカッコイイ。「HUNTING THE WHALE」「PLASTIC DREAMER」「MIDNIGHT」「ROSE MARIE」など、過去のライブ盤では聴けなかったライブverが聴けるのは非常に嬉しいし、これだけで十分元が取れた感じ。
「MIDNIGHT」の中間部に1stアルバムのボーナストラックだった「WANNA SHOUT」がさりげなく入ってるのが最高だし、「ROSE MARIE」での高速ギタープレイもホントにライブ?といった的確なプレイで舌を巻いた。
因みに「ONCE AROUND THE WORLD」は、以前リリースされた「LIVE IN MONTREUX」に収録されていたモノと同テイク。

最後に1990年ハマースミス・オデオンでの曲目は以下の通り。

-DISK 1-
1.INTRO
2.BULLET IN THE BARREL
3.MURDER OF THE PLANET EARTH
4.FEELS LIKE SUMMERTIME
5.UNDERNEATH YOUR PILLOW
6.WELCOME TO THE WILD COUNTRY
7.STILL TOO YOUNG TO REMEMBER (ACOUSTIC)
8.ICE MELTS INTO WATER

-DISK 2-
1.YELLOW CHRISTIAN
2.VAMPIRES
3.LET US ALL GO
4.SCREAMING ON THE BEACHES
5.STILL TOO YOUNG TO REMEMBER
6.ONCE AROUND THE WORLD (END SECTION)
7.KISS LIKE JUDAS
8.CALLING ALL THE HEROES

このライブの前年にオリジナルメンバーとしては最初で最後の日本公演が行なわれたので、その後の解散前の貴重なライブ盤。解散後にリリースされた「THANKYOU AND GOODNIGHT」は、本国でTV放送されたタウン&カントリークラブでのライブを編集したモノだったので純粋なライブ盤という意味合いではなかったけど、ライブが観られなかった私は非常に狂喜し聴きまくった。そのライブと比べると選曲も大分違うし、バンドのイメージもかなり印象が違う。まず冒頭にアルバム未収録のヘヴィナンバー「BULLET IN THE BARREL」を持って来てるのが意外だし、続く「MURDER OF THE PLANET EARTH」も重いノリのナンバーで、「FEELS LIKE SUMMERTIME」に至っては未発表曲...バンド自身意図的に何かを変えようとしてたのかと?

何と言っても一番のハイライトは、幻の4thアルバムに収録される予定だった「WELCOME TO THE WILD COUNTRY」がプレイされている事!以前YOU TUBEで見付けたBOB HARRIS SESSIONでライブver聴いた事あったけど、こうして日の目を見たのは嬉しい限り。後にフランシスの1stソロ作に収録されているけど、このバンドverはかなりスピーディーで荒々しいプレイがカッコイイ。また日本盤ボーナストラックだった「VAMPIRES」も収録されており、この曲が当時ライブでプレイされていた事すら知らなかった。残念なのは「LEAVING WITHOUT YOU」や「SISTER SARAH」が収録されていない事かな。

妙なのは「STILL TOO YOUNG TO REMEMBER」がアコースティックverとバンドverで2度プレイされている事。どういった経緯なのかは分からないけど、脱退前のフランシスの発言では「次のアルバムではキーボードを極力減らしてオーガニックなサウンドにしたい」とか言ってたのはこういうアプローチを目指したかったのかな?と。結果的にフランシスはバンドを脱退してしまったけど、4thアルバムが作られていたらこれまでのアルバムとは大分印象の違うモノが出来上がったのではなかろうか?相変わらず演奏は素晴らしいのだけど、何処か醒めた印象も感じられる不思議な感覚のライブ盤かと。

...とまあ、5枚全部聴き終わった後に思った事は、やっぱ彼等の音楽には特別な思いがあるんだなと(笑)。もう30年近くも未だに彼等の音楽を聴いて楽しんでる私にとってはこのライブ盤は正しく”新作”だし、存在すら全く知らなかった未発表ライブがこの時代にリリースされた事を素直に感謝したい。長生きはしてみるモンですね!!(笑)


「MIDNIGHT」


「STILL TOO YOUNG TO REMEMBER」




偶然なのか何なのか分からないけど、CDを注文してるモノが軒並み届かないという(苦笑)。よくある”何週間後に発送”というモノを頼んだから仕方ないのだけど、それにしても頼んで一ヶ月以上経ってるのに届かないとフラストレーションが溜まる(笑)。それでこうしてなかなか更新も出来なくなる訳で...まあ旧譜聴いて過ごせば良いのだけど、その間にも情報のアンテナは常に広げておかないと何時の間にか「こんなのが出てる」という事で慌てる事になるし、またお金の都合で他のモノを買う訳にもいかないし、更にフラストレーションが溜まると(苦笑)。

そんな訳で今日は旧譜を久々に聴いてて、余りにもベタだけどレッド・ツェッペリンの4枚目「Ⅳ」を今回はチョイス。発表は1971年。もう約50年近くも前の作品ですか...

ZEPの最高傑作は?の問いにはマニアから初心者まで様々な意見があると思うけど、一般的な代表作というとこの「Ⅳ」がよく取り上げられている。確かによく出来ている作品だし、あの「STAIRWAY TO HEAVEN」(邦題:天国への階段)が収録されている事で人気があるのもよく分かる。私もこのアルバムは大好きだけど、以前も書いた通り「HOUSES OF THE HOLY」(邦題:聖なる館)が私のイチオシなんで、ここは個人的な好みという事で。

しかし、「Ⅲ」のアコースティック路線からこうもスタイルを変えてきたというのは当時としてはどういう心境だったのだろうか?リアルタイムで聴いてた人達は「Ⅲ」で失望したという声も多かったと聞くし、単に別路線で色々試してみたかっただけの事なのかよく分からないけど、普通にヘヴィでブルージーだった1st~2nd路線に戻した訳ではなかった事がこの「Ⅳ」でのバンドの成長と評価を高めた結果だと思う。「Ⅲ」で失望した人達はこのアルバム聴いてどう思ったんだろうか?

ちょっと話は逸れるけど”ZEPはヘヴィメタル”という人なんて当時は本当にいたのだろうか?ブラック・サバスならともかく、ZEPはどう考えてもメタルじゃないでしょ。”重くてうるさい音だったらメタル”という認識だったらHMの評価自体が安っぽいモノだと思うけど(だからといってサバスが安っぽいと言ってる訳じゃない)当然の如くZEPはそれだけのバンドじゃないし、このアルバムでは過去3作から提示したモノを更に進化させた事で、また新たな彼等の音楽を作り上げたと思う。
面白い事に、この後の作品では更にバラエティに富んだ作品を作った事でまたバンドの違う面が見えてきて常に進化していたバンドだったんだなと。一般的な評価が余りよろしくない「IN THROUGH THE OUT DOOR」だって初期や中期とはまた別の音楽であった訳だし、あのまま解散しなかったらどんな方向に進むんだろう?という謎ですら何故か興味あったし。

アナログでいうA面は代表曲のオンパレードであるけど、個人的にはB面の流れが何気に好きだ。特に「GOING TO CALIFORNIA」から「WHEN THE LEVEE BREAKS」の繋がり方が良い。勿論A面もカッコイイし、最初にZEPを聴いたベスト盤「REMASTERS」が丸々そのまんまの流れで収録されているので馴染み深い事もあるし。
お気に入りは「THE BATTLE OF EVERMORE」(邦題:限りなき戦い)「STAIRWAY TO HEAVEN」「MISTY MOUNTAIN HOP」「FOUR STICKS」「WHEN THE LEVEE BREAKS」。「ROCK AND ROLL」は散々聴きすぎたお陰でそれほどではないです(苦笑)。「THE BATTLE OF EVERMORE」は、ハートのウィルソン姉妹の別バンド:ラブモンガーズのカヴァーも良かったなあ。

久々に聴いてやっぱ良いアルバムだと再認識。ZEPは偉大だ!と改めて思うけど、最近のジミー爺さんのリマスター商法は自ずから晩節を汚してるとしか思えないんですよ。アレは高額すぎてコアなファンしか見向き出来ない代物だし、そこまでの価値が見出せない。クイーンみたいに映画作って再評価とかやれば良いのに...と思うけど、ZEPの伝記みたいなモノだと初期はグルーピーと乱痴気騒ぎとか酔っ払ったボンゾがペイジをブン殴ったとかそんな話しかなさそうだから映画化は無理か(苦笑)...いやいや、そんなZEPも好きなんですけどね。


「STAIRWAY TO HEAVEN」


「MISTY MOUNTAIN HOP」