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まあ以前から覚悟していた事だけど、いよいよその時が来てしまった。ニール・パートがドラマー自体を引退してしまった...とゲディ・リーがインタビューで明らかにした。これで実質上ラッシュが解散してしまったという事だ。

そもそもツアーの時には「ツアーから引退するのであってアルバムの製作活動は続ける」という話だったのだけど、今のご時勢新作を出しても売れない時代だし、そこまでしてバンドを維持させたいのか?と問われると本人達の答えは違うんだろうな。最後のライブの時に普段はニールが前に出て来て3人でお辞儀するなんてなかったので、この時には既に意思は固かったんじゃないかと。
以前から体力的な問題もあったみたいだし、ゲディの声も限界に近かった事を考えるとここでバンドの幕を下ろした事は間違ってないとは思うけど、もっと明確にしてくれて、しかも最後くらいは日本に来てくれても良かったんじゃないかと思った。結局84年に行なわれた唯一の来日公演を観られなかった(つーかバンドの存在自体知らなかったし)者としては悔やんでも悔やみ切れない...ライブを観られたならまだ踏ん切りが付くのだけど、ホントに残念の一言でしかない。

そんな彼等に一目を置く切っ掛けとなった作品が、今回チョイスした通産15作目にして3枚目のライブアルバムとなった「A SHOW OF HANDS」(邦題:ラッシュ・ライブ~新約・神話大全)。リリースは1988年。

このアルバム以前にバンドを知った切っ掛けになった作品は、中古屋で買った「PRESTO」からだったのだけど、続けてこのアルバムを...というよりは、大人買いで1stからこのアルバムまで一気に買ったんだよなあ...クイーンのCDも(「FLASH GORDON」を除いて)一気に大人買いをしたんだけど、幾ら興味のあるバンドだからといって今じゃ絶対にこんな真似出来ないわ(苦笑)。
そもそも当時からラッシュは日本じゃ人気がないと言われてたし、CDもいつ国内盤が無くなってもおかしくない...という事で一気に買ったんで後悔は無かったんだけど、まさか後にリマスターの紙ジャケ盤が出るなんて思わなかったよなあ...

ともあれ、このライブ盤は80年代のバンドの総決算的な意味合いを持つ内容で、当時までは根強くあった”4枚のスタジオ盤の後で1枚のライブ盤を出して音楽性を変える”というコンセプト(?)を見事に立証させるモノだった。大作志向だった70年代から、コンパクトにまとめた楽曲の80年代初期、そしてシンセサイザーやキーボードを大胆に導入した80年代後期の集大成がこのライブアルバムに収められてる。

「2112」が好きな人達にとってはこの80年代後期のバンドを毛嫌いするのも理解出来るけど、私は正直この頃の作品も大好きだし、むしろ「2112」以前の作品はそれほどでもなかったりする変な人なんで(笑)このアルバムはホントによく聴きましたねえ。ポップの何処が悪い?という感じだし、彼等ならではのポップフィーリングが十分に詰まってるので聴いてて楽しくなってくるんですよ。

選曲はホントにベストなんだけど、意外なのは80年代初期の楽曲すら収録されていない事。「2112」とか大作の収録はコンセプトに反するので入ってなくても納得出来るんだけど、それこそ「TOM SAWYER」や「THE SPIRIT OF RADIO」とか「FREEWILL」などバンドの代表曲すら入ってない構成は驚いた。あくまでも80年代中~後期の4枚のアルバムからの選曲に拘ったんだろうけど(「WITCH HUNT」と「CLOSER TO THE HEART」だけは例外で収録されている)やっぱこの当時の音で80年代初期の楽曲を聴いてみたかったのが本音かな。後に出た映像版では「2112」とか他の楽曲も収録されているけど。
あと彼等にしては珍しいシングルでスマッシュヒットになった「NEW WORLD MAN」すら収録していないのも、「シングルヒットを収録してアルバムの売り上げに貢献させよう」といった様な単純な考えじゃない、彼らならではの意地みたいなモノを感じて面白いと思う(でも聴いてみたかったけど)。

演奏面に関しては、殆ど完璧に近いのではなかろうか?元々演奏には定評のある人達だし、年齢から考えてもベストなプレイを披露出来ていたのはこの頃だったと思うのだけど。ニールのドラミングも”要塞”に囲まれて相変わらず凄さまじいプレイを披露してるけど、ゲディのベースとキーボードを同時に操るプレイはホントに凄い。BURRN!の記事で曲芸レベルと言われていたけど、そこまでして3人のアンサンブルに拘ったのは本当にミュージシャンシップの塊なんじゃないかと思う。

ラッシュ初心者にも十分お薦め出来る内容だと思うけど、あくまでもこの音楽性は彼等の一部の時期を切り取ったモノであって、長いバンドの歴史の中でも際立って異質な時期だったとも言える。ここから入って初期の大作にハマるも良し、後期の円熟した音楽性に向かうも良しで、やっぱラッシュというバンドの特異性を改めて感じた次第ですな。


ライブ本編
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AFTER HOURS / GARY MOORE (1992)

THE CARNIVAL BIZARRE / CATHEDRAL (1995)

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グラハムボネ太郎

私もよく聴きましたね!

ポップなラッシュの総決算。
聴きやすいけど間違いなくロック。
私は80年代も70年代もラッシュは大好きです。
来年もロックを聴きましょう!
よいお年を

2018年12月31日 14:22

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K.A.E.

ラッシュ初心者には打ってつけだと思ってますね。とにかく聴きやすいのが一番で、ゲディの声がダメとかならこのアルバムで終わるし(苦笑)。
ポップである事が何故ダメになるのか、よく分からない評価がこの時期にありましたけど(BURRN!の事です)普通に凄い事やってのけてると思うんですけどね。こういう評価がバンドを日本から遠ざける原因になってたと思うとホント残念ですよ。

ボネ太郎さんも今年はコメント有難うございました。また来年も宜しくです。良いお年を!

2018年12月31日 19:24

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某音楽馬鹿

ラッシュの件はホントに残念ですよね、あと1枚くらいはアルバム作って欲しかったです、他の2人のソロに期待したいところですが・・・。

個人的には知らないバンドのアルバムを集める時にはスタジオ作品優先でライヴ作品がどうしても後回しになる傾向があって、私はこのアルバム買ったのは・・・って書きかけてよく考えると持ってませんでした(笑)。

今は本サイトの方で買ったCD管理してますが、確認してみるとラッシュに関しては見事にライヴ作品が全部抜けてます(汗)、ライヴ盤が嫌いなわけじゃなくてお金の都合で後回しになってるだけですが今更買うのもアレだしストリーミングあるんでいいかな~って。

2019年01月26日 13:36

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K.A.E.

どーしても引退や解散のタイミングを考えなきゃいけないのはバンドの宿命でもある訳ですが、ラッシュに関しては良いタイミングだったと思います。そりゃ勿論続けてくれたら...とは思いますけど、R40観たら全盛期と比べてパフォーマンスがキビしいですし、「CLOCKWORK ANGELS」がホントに素晴らしい作品だったのでバンドにとっても有終の美を飾れたんじゃないでしょうか。
ゲディやアレックスがこの先アルバム作るのか分からないですが、アレックスは元ポキュパのドラマーと何かやるみたいですね。

このアルバムに関してはスタジオ盤と比べても余り違和感はなく、むしろ完全再現みたいな感じで恐ろしいほどの正確さが堪能出来ますが、実は90年代以降のライブ盤にある様なお遊びを感じられる方が好きですね。「YYZ」のエンディングに「CYGNUS」のイントロをサラッと入れたりする様な面白さの方がライブっぽい雰囲気を感じられますしね。

2019年01月30日 03:19

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