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前回のグレン・ヒューズのムック本が発売されたのには驚いたけど、今回はシン・リジィのムック本が発売された。何故今の時期なのか?という疑問はあるけど、こうした温故知新的な本が出るのはファンとしては嬉しい企画だし、何よりリアルタイムで追えなかったバンドの詳細が分かるという意味合いでも貴重な本である事には間違いないので即購入したのだけど、グレン・ヒューズのよりはちょっとお茶を濁した感はあるかな?当時のLPの帯表記で数ページ使うとかよりも、もっと関係者の証言みたいなモノが読みたかったな。当時のフィル・ライノットのインタビューとか貴重だし、知らなかった話も結構載っててかなり面白かったけど(ゲイリー・ムーアが「BLACK ROSE」のツアー途中で失跡した時にグレン・ヒューズの家に逃げ込んだら、フィルから電話掛かってきて「もしゲイリーを匿ってたならお前の喉を切り裂いてやる」って言われてグレンが困惑した話は、痴話喧嘩みたいでおかしいけど)。

そんなリジィの本を読みながら久々に手にしたのは、1977年発表で全英4位まで登りつめた「BAD REPUTATION」(邦題:悪名)。フィルとの対立が決定的になったブライアン・ロバートソンが最後に参加したアルバムで、レコーディングにも殆ど参加しなかったお陰でジャケットには彼の姿が入ってないので何か妙な引っ掛かりを感じる。

私自身はゲイリーが参加した「BLACK ROSE」が彼等の最高傑作だと信じて疑わないのだけど、コアなリジィファンはやっぱロボ時代が最高という人が多いらしい。彼等が発表したアルバムにはそれぞれに良い楽曲が入ってるモノが多いので、こういう話は幾らでも尽きないと思うけど、勿論ロボ時代でここでも以前書いた「JOHNNY THE FOX」も「JAILBREAK」も好きだし、この「BAD REPUTATION」もお気に入りだ。

ケルティックな雰囲気が漂う「SOLDIER OF FORTUNE」で始まり、独特のドラムパターンが印象的な(ブライアン・ダウニーがいとも簡単にプレイしてるのがまたカッコイイ!)「BAD REPUTATION」、ジョン・ノーラムもカヴァーした典型的なリジィ風味HR「OPIUM TRAIL」、こういう歌詞は絶対に日本人には作れない穏やかでありながらも何処か哀愁を感じさせる「SOUTHBOUND」の当時のアナログA面の流れがまず素晴らしい。

後半の、これまた日本人には無理であろう洒落た世界観の「DANCING IN THE MOONLIGHT」(IT'S CAUGHT ME IN THE SPOTLIGHT)がB面1曲目というのもニクい構成だし、風変わりな曲構成にリフが印象的な「KILLER WITHOUT A CAUSE」(邦題:理由なき暗殺者)、レイドバックした雰囲気が心地良い「DOWNTOWN SUNDOWN」、次作に入っててもおかしくないポップな「THAT WOMAN'S GONNA BREAK YOUR HEART」(邦題:性悪女)、彼等にしては地味な部類である「DEAR LORD」でアルバムが終わる。
中でもお気に入りは「BAD REPUTATION」、「OPIUM TRAIL」、「SOUTHBOUND」、「DANCING IN THE MOONLIGHT」(IT'S CAUGHT ME IN THE SPOTLIGHT)、「KILLER WITHOUT A CAUSE」ってトコかな。

このCDは後にリマスターされたボートラ入りのモノなんだけど、ここに収録されているBBCセッションの音源がアルバムよりもエッジが際立っていて更にカッコイイ出来となっている。「どーして彼等はライブの素晴らしさをレコードに入れられないんだ?」という発言からプロデューサーに使命されたトニー・ヴィスコンティ(デヴィッド・ボウイやTレックスの仕事で有名)でも、BBCセッションの生々しさには叶わなかったってトコだろうか?まあ、後に有名なライブ盤となった「LIVE AND DANGEROUS」でその面子は保たれたけど。

しかし、改めて聴いたらやっぱ楽曲の良さが耳を惹くアルバムかと。それが短期間の間にアルバム連発して、どの作品もクオリティが高いモノばかりというのもフィル・ライノットの才能あってのバンドだったんだなあ。そりゃ地元ダブリンに銅像が建つ訳だわ...と納得だけど、今の若い世代は彼の存在すら知らずに銅像にイタズラする輩までいるのがちょっと寂しい気が。


「BAD REPUTATION」


「DANCING IN THE MOONLIGHT」(IT'S CAUGHT ME IN THE SPOTLIGHT)
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BADMOTORFINGER / SOUNDGARDEN (1991)

FROM THE ARCHIVES VOLUME 1 - INCENSE & PEACHES / GLENN HUGHES (2000)

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グラハムボネ太郎

最高のバンドです!

いわゆるハードロックな曲だけじゃないのがこのバンドの魅力だと思います。
私は優しげなシン リジーが大好きです!
『NIGHT LIFE』を一番聴きます

2019年05月07日 05:47

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K.A.E.

”アイルランドの国民的バンド”だの”フィル・ライノットは詩人”だの、リジィは余りロックバンドっぽくない評価をもらっているトコに魅力があるんでしょうね。

今回出たムック本は読みましたか?内容も良いので是非お薦めしますよ。今度はリジィ/フィルの全曲の詩集なんか出たら喜んで買うんですけどね。

2019年05月07日 06:39

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某音楽馬鹿

シン・リジィ本は買いました、今までこのバンドに関しての1冊丸々ムック本なんてほとんど無かったので一気に読んでしまいました、かなり良かったです。
もちろんご紹介されてるアルバムも好きですが、今は初期の作品も含めて全部違う魅力があってどれが一番か決められないくらい大好きです(僅差で「レネゲイド」あたりかも?)。
あと、もうすぐ出るブラック・スター・ライダーズの新作から新曲のPVが公開されましたがそのまんまシン・リジィで笑いました、良い曲だしアルバムももちろん買いますが・・・。

2019年06月23日 16:40

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K.A.E.

リジィをリアルタイムで経験出来なかったので、インタビューでフィルがどんな事を話していたのかを知るだけでも十分”買い”でしたね。でも、スコット・ゴーハムがドラッグで苦しんで脱退したいという申し出で解散が決まり、スコットは治療してドラッグから抜け出したのに、フィルがそのまま亡くなってしまったのはちょっと悲しかったですね。

どのアルバムも魅力的なんですが(とはいえデッカ時代の1~2枚は聴いてませんけど)やっぱ「BLACK ROSE」になっちゃうんですよね。好きな曲も多いし、一番聴きやすいイメージがあるんですよ。

BSRはそろそろですか、メンバーが若干変わってしまいましたけど主要の2人がいるからまだまだ大丈夫でしょう...けど、スコットもご高齢だからあと何枚聴けるか。今回も楽しみです!

2019年06月27日 04:04

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