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(2007/06/06)
デヴィッド・ボウイ

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数年前にツアー途中で心臓の手術をしてそのまま表舞台からひっそり消えてしまったデヴィッド・ボウイ。先日、ボウイの伝記を書いている作家が「もう彼は引退同然」と語った事でちょっと残念な気分になった。
ただ、まだ救いはあるみたいで「表舞台に舞い戻ったらそれこそ奇跡だ」とも語ってるんで、少しの期待は持っていたいけど、ボウイももう既に高齢だし、もう無理に活動して欲しくないというのも彼のファンなら理解出来ると思う。同世代のミック・ジャガーが今更ながら(笑)新バンド結成したりしてまだまだ精力的に動いてるのを見ると、ちょっと悔しい気分にもなるけど。

そんなボウイの作品の中でも、近年の異色作と言えるのが1997年に発表された「EART HL I NG」。文字の表記が所々にスペースが空いてるけど、ジャケにそう表記されているのでそのままの表記で。

世紀末を目前に、ボウイが時代の先を見つめたのはドラムン・ベースを基調としたテクノロックだったのは、当時結構驚かされた。同時期にU2も「POP」で同じくテクノ路線に傾倒したけど、まさかボウイもそれに追従するとは思わなかったし、何より楽曲を聴いてボウイの個性が薄れるかと思いきや、かなり自己主張が強かったのも驚きの一つだった。
U2の場合は、何の前触れもなく突然変異みたい感じで「POP」をリリースして「はい、これが今の僕達です」と言ってもただ困惑するだけだったのに対して、ボウイの場合は前作「OUTSIDE」でそれなりの予兆はあった。退廃的なインダストリアルっぽい雰囲気で時代に融合していた前作に比べると、今作は明るく思いっ切り弾けた印象すら受けた。

またPVも印象的で「LITTLE WONDER」にはボウイがかつて過去に演じたキャラクター、ジギーやシン・ホワイト・デュークなどが登場して過去と現在を見事に共存させているし、「DEADMAN WALKING」ではごちゃごちゃした音像の中でのびのび歌うボウイが、混迷した現代とリンクさせた雰囲気を醸し出している。
「I'M AFRAID OF AMERICANS」では、リミックスを担当したナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーもPVに登場して、ボウイを付き纏う変質者を見事(?)演じてる。

もう既に過去に自分のスタイルを確立して成功させたミュージシャンが、それまでのスタイルをあっさり捨て去り、より新しい音楽性にチャレンジしていくという事は並大抵の事じゃないと思うのだけど(それをやった事によって自身のキャリアが終わるリスクが高い訳だし)ボウイはそれを簡単にやってのける。ホントに凄い...と、久しぶりに聴きながら改めて思った次第だ。


「LITTLE WONDER」PV↓
http://www.youtube.com/watch?v=UnTrbvg4wNg

「DEAD MAN WALKING」PV↓
http://www.youtube.com/watch?v=wOZrGHmMl4o&feature=related

「I'M AFRAID OF AMERICANS」PV↓
http://www.youtube.com/watch?v=slKNd22GGaQ

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comment avater

某音楽馬鹿

ぼうい

デヴィッドさんがそんな状態だとは知りませんでした、本当に当時聴いてたヒーローがどんどん居なくなって来るのは悲しいです。
人間、歳にはどうしても勝てない事を悟りました、あと一回でいいですから全盛期の片鱗を見せて欲しい人です。
ジギーに痺れた人は全員そんな気持ちだと思います。
それにしても当時の「ヒーロー」達の「老い」は分かってはいるんですが悲しいですね。
中には老いなぞなんぼのもんじゃいっていう豪傑さん(誰とは言いませんが)も居るのに・・。
こうしてどんどん好きなミュージシャンが居なくなってくるんですよね。

2011年08月21日 17:11

comment avater

K.A.E.

[老いなぞなんぼのもんじゃいっていう豪傑]
誰の事だか直ぐに分かるというのも何だか...(笑)

でも正直、ボウイには無理はして欲しくないというのが本音です。勿論、新作が聴けないのは残念ですが、本人にその気力が無い時に作品作っても、80年代中~後期の無機質なモノになりかねませんからね。
でも正直80年代からリアルタイムで見てきたモノとしては、高齢のボウイには余りピンと来ないのも不思議な気持ちです。

2011年08月21日 22:16

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