今現在、スティーヴン・ウィルソン自身がソロ活動を重点に置いているので、ポーキュパイン・トゥリーの活動が停止してから暫くの年月が経っている。バンドの中心人物であるからバンドとソロの境界線をどの様に引いてるのかは本人じゃないと分からないけど、元々このバンドはSW自身が語るにはプロジェクトですらない存在であって、自分のスタジオで自分の好きな曲を作るだけの自己満足的なモノだったらしい。

とはいえ長い年月の間に結構な枚数のアルバムを作ってる事だし、メンバーが変わればそれなりの色も出てくる訳だからバンドアンサンブルみたいなモノも感じられて、初期と後期では音楽性自体が変わってしまったのは結局バンド活動と変わりなかったんじゃないかと思う。
そんな彼等の通産5作目にあたる「STUPID DREAM」を今回はチョイス。発表は1999年。

日本では8枚目のアルバム「DEADWING」が発売された後に知名度が上がったので、そのブレイク前中間期にあたる作品になる訳だけど、勿論「DEADWING」の音楽性とは別モノ。アコースティックをメインにしたメロディアスな作風で、至るトコに実験的な雰囲気すら感じさせるので、このバンドに興味のない人が聴いたら掴みどころの無い作品という評価になってしまうのではなかろうか?

ところが、私的にはこの不思議な感覚が凄く魅力的に感じられて、アルバム全体の統一感がクセになる。この雰囲気、何かのアルバムに似てるなあ...と思ったら、何気にSWとも縁のあるマリリオンの「MARILLION.COM」アルバムに近い感覚だと思う。そういやこのアルバムとも発売年月も同じ年だし、確かこのアルバムで数曲のミキシングもSWが担当してるので、そこから近いモノを感じられたのだろうか?

お気に入りは、ゆったりしたメロディに安堵感すら覚える(笑)「PIANO LESSONS」や「PURE NARCOTIC」、このアルバムの中では結構メリハリのあるスタイルの「THIS IS NO REHEARSAL」、ソロ作の「LUMINOL」の雰囲気に近い「TINTO BRASS」かな。ただ、全体的に穏やかで牧歌的な雰囲気なので、アルバム全体で聴くのが一番心地良いのかも。

「DEADWING」みたいに、テクニカルでヘヴィなスタイルが好きな人にはかなり物足りない作品かと思うけど、このバンドにイメージを求めない人なら何処かに引っ掛かるモノは感じ取れるとは思う。
今月発売のソロ作ではどんな作風を提示してくれるのか想像付かないけど、そんなイメージを持たない彼だからこその作品だから想像力に溢れてるんだろうなあ...とは思う。本当の意味でのプログレッシヴなんだろうな。


「PIANO LESSONS」


「THIS IS NO REHEARSAL」
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comment avater

某音楽馬鹿

確かに初期(1991~1995年頃)のポーキュパイン・トゥリーって難解で実験的な曲が多くてちょっと苦手だったりします、90年代中~後半くらいから今みたいな感じになったのかな~って思います。

私もデッドウィングから聴き始めてだんだん古い作品を辿りましたが古くなり過ぎるとキツいですね、このアルバムくらいになると安心して聴いてられます、確かにマリリオンっぽいところもあったりするし、好きなアルバムの1つです。

2017年08月02日 21:32

comment avater

K.A.E.

私はこの前作にあたる「SIGNIFY」まで辿りましたけど、それ以前はSW本人も語ってる通り別モノとの事らしいので手を出すつもりはないですね。やっぱバンドアンサンブルを感じられるポキュパが好きなんだと思いますよ。

どちらかというと、この辺りの路線の方が好みなのかも知れませんね。勿論「DEADWING」や「IN ABSENTIA」の路線も良いんですけど、ちょっと掴みどころが分かりにくいスタイルの方が飽きないしバンドのイメージにも合ってる気がすると。でも、ここ数枚のソロ作の出来が良過ぎるんで敢えて今ポキュパを再始動する理由は無いのかも知れませんね。

2017年08月06日 05:06

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