あんまり梅雨っぽくない天気で暑さが苦手な私にとっては既にバテ気味な感じなのだけど、そんな暑い中に車内で聴くには打ってつけのヴァン・ヘイレンを久々にチョイス。通産10作目の「BALANCE」を今回はチョイス。1995年発表ですね。

残念ながらサミー・ヘイガー在籍最後のアルバムとなった今作。何が理由なのか知らないけど、このアルバムのツアー終了後に抜けてしまってデイヴ・リー・ロス期よりもサミー期の方が好きだった(リアルタイムでずっと追えたのも大きかった)私はがっかりしたのを覚えている。

このアルバムも最初聴いた時は全体的にどうも煮え切らない雰囲気があって、当時のグランジ/オルタナが音楽シーンで幅を利かせていた事も関係してるんだろうなあ...と勝手に思い込んでたけど、楽曲単位で聴くと意外とカッコイイ曲も多いのに気付く。
ヴァン・ヘイレンのイメージはカラッとした能天気なハードロックバンドというのが私のイメージだけど、サミーが加入してからバラードも増えたし楽曲の幅が広がったと思うし、実際デイヴよりも歌えるスタイルはサミーの方が上じゃないかと。勿論、デイヴのエンターテイナー然としたスタイルもヴァン・ヘイレンには重要だしカッコイイと思うけど。

お経みたいなSEから一転硬質なギターリフが入る「THE SEVENTH SEAL」はむちゃくちゃカッコイイし、続く「CAN'T STOP LOVING YOU」はそれまでのバンドらしからぬポップな雰囲気で異質だけど、これはプロデューサーのブルース・フェアバーンの意向が反映されたんじゃないかと。良い曲なんだけど、正直産業ロックの極みみたいなスタイルなんで遂にこういうトコまで来てしまったんだなあ~と思った。
後半(9~13曲目←日本盤ボートラも含む)の流れはあまり好きじゃないんだけど、それ以前の流れは結構好きで「BIG FAT MONEY」や「AFTERSHOCK」みたいな如何にも彼等にしか出来ないHRは安定のクオリティだと思う。

当然の様にアルバムチャートでNo.1獲得した訳だけど、今改めて聴くとサミー期の限界も幾分感じられる作りなんじゃないかと思った。その後のサミー脱退→エクストリームのゲイリー・シャローン加入→サミー復帰→サミー再脱退の流れでも分かる様にエディとアレックスさえ入ればヴァン・ヘイレン...といった感じなんで、外部の意見を聞かなくなってその後は黙作になってしまったのは単純に曲が書けなくなったんじゃないかと。
エディの病気の件もあったし、現時点で最新作にあたるデイヴ復帰のアルバムも半分以上が昔のデモ曲からのリメイクだし、そのデイヴから「エディはここ20年くらいは曲書いてない」と暴露されちゃってるから、エディにとってはもうバンド活動も自身の健康を考えないと出来ないんだろうなあ。

後のデイヴ復帰作はまた別モノといったノリなので、個人的にはこのアルバムが全盛期最後の作品という認識だけど、何処か少し寂しさを感じてしまうんだよなあ。サミーにまたバンドに復帰してほしいとは思わないけど(サミー自身も否定してたし)バンドも終焉もそう先の話じゃないんだから、最後にとんでもない作品を作って欲しいと願ってますよ。


「CAN'T STOP LOVING YOU」


「BIG FAT MONEY」




いきなり私事ですが、最近へヴィーメタルを聴く事が大分減った気がする。音楽を聴くのはいつも無意識のウチにチョイスしてるのだけど、何故かメタルを選ばない。未だに聴くとテンション上がるし嫌いになった訳でもないのに何か不思議な気分。
ヘル・イエーのヴィニー・ポールが亡くなってニュースになっていたので久々にパンテラ聴いたけど、相変わらずカッコイイと思いながらも何故か聴く機会は減った。ジューダス・プリーストの新作だってまだ買ってないし、単に興味が他に音楽に移ってしまってるからなのだろうか?

それはともかく、一昨日は休日だったので久々に田舎道のドライブのお供にチョイスしたのはZZトップの「RHYTHMEEN」。1996年発表の作品だけど、買ったのはつい1年程前だったりする(苦笑)。

前作「ANTENNA」までは彼等が大ヒットを飛ばした80年代のテイストが幾分残ってた気がするけど、このアルバムから今現在に至るまでの彼等の音作りが確立されたと思う。歪んだギターの音にミドルテンポで押しまくる楽曲が目白押しのこのアルバムは、80年代の彼等の作品と比べるとかなり重量感を感じるけど、楽曲自体はいつものブギー&ブルーズスタイルのロックで変わりない。

このアルバムもそうだけど、私自身はこの今現在の彼等の音が一番好きかも。勿論どの時代の音もカッコイイのは間違いないんだけど、このテの他のバンドが音作りは変わらずにキャリアだけを重ねていくのに対し、彼等の場合は幾分新しい要素を加えても基本期な姿勢は不変...というキャリアの長いバンドでありながらも決してマンネリに陥らないのは実に素晴らしい。
お気に入りは「RHYTHMEEN」「VINCENT PRICE BLUES」「SHE'S JUST KILLING ME」「PRETTYHEAD」が好きかな。因みに「SHE'S JUST KILLING ME」は映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン」で使われて、彼等もちょこっと映画に出演してる。

真夏の暑い中で聴くには最高な音楽かも...って、暑いのは正直苦手なんだけど(苦笑)夏になったら彼等を聴く機会は更に増えそうな気がするな。是非ともこういう音が似合うおっさんになりたいモノである。


「SHE'S JUST KILLING ME」


「VINCENT PRICE BLUES」




久々にHR系のアルバムが聴きたいと思い、今回はこのアルバムをチョイス。マイケル・アモット率いるスピリチュアル・ベガーズの記念すべき1stアルバム「SPIRITUAL BEGGERS」。このCDは再々発盤なので2013年表記にしてるけど、オリジナルは1995年リリース。

このバンドは存在自体を知ったのが結構後になってからだったので後追いがハンパないレベルなんだけど(苦笑)アーチ・エネミーで活躍してるマイケルが立ち上げた別バンドという事で、最初は普通にデス系のバンドなのかな?と思いきや、インタビューやネットでの書き込みの話から古き良き70年代のハードロック系の音楽を演っているという事なので、4thアルバムから入ったら見事にツボってしまい徐々にCD揃えていったと。

まだ全て購入した訳ではないんだけど、これまで在籍した3人のボーカルの中でもやっぱ初期のスパイスが一番好きなのでよく手に取るのは1st~4thまでなんだけど、この1stアルバムとお気に入りの4thアルバムでは決定的な違いがある。それはキーボードの有無なんだけど、キーボードとはいってもオルガンやメロトロンを積極的に使うのでレトロ感が増して音が多彩になるのが堪らないのだ。だから4thや3rdアルバム辺りを積極的に聴くのだと思う。

なので、この1stアルバムにもオルガンやメロトロンが入っていれば...とは思うけど、3ピースバンドでありながらも図太い音で豪快なHRを聴かせる作品と捉えればデビュー当時から音楽性にブレがなかったとも言えるかと。しかもこのバンドが結成された時のマイケルはまだカーカスに在籍した頃で、「HEARTWORK」でブレイクしたデスメタルバンドがサイドプロジェクトでこういったバンドを組んでいたのも何だか面白い話かと。
ドゥームやストーナー系のノリを加えた古臭いハードロックではあるけど、そこにサイケっぽい雰囲気や独特のグルーヴ感があってただの焼き直しではないのがこのバンドの特徴かと。曲展開もジャズっぽいフレーズが入ったりして結構練られているのも面白いし、このテの音の要であるリフが重いのもカッコイイし。

またこの再々発盤は2枚組となっており、3rdや4thアルバムのデモ曲が収録されていてこの時期のアルバムがお気に入りの私はコレも興味深々だったのだけど、デモはデモといった感じでギターのラフなプレイやまだ曲が完成してない原型のままだったりするので聴き慣れてるオリジナルとは若干違うのが面白い。コレはコレで非常にカッコイイとは思うけど。

最初にリリースされたオリジナルジャケットは、何だか宗教団体からクレームが付いて初回プレスだけで回収されたらしいのでかなりのレアアイテムらしく、その後再発されたジャケは非常にダサいジャケで買う気力すら奪うブツだったので、こうして再々発されてホント良かった。まあ、このジャケもよく見ると何だか訳分からない感じだけど(苦笑)。


「YEARLY DYING」


「MAGNIFICENT OBSESSION」




先日のフィル・コリンズに続いて、久々にこのアルバムにも手を伸ばしてみた。マイク・ラザフォード率いるマイク&ザ・メカニックスの2ndアルバム「LIVING YEARS」。発表は1988年。

大ヒットしたジェネシスの「INVISIBLE TOUCH」のツアー終了後、一旦ジェネシスの活動を休止したのを切っ掛けにフィル・コリンズは映画「バスター」の撮影に入ってそのサントラ盤も手掛けるというハイペースな仕事ぶりが注目されたけど、マイク・ラザフォードの方もまさかまたこのバンドでアルバム作るとは思ってなかった。確かに1stアルバムは注目されてシングルヒットも飛ばしてはいたけど再開するには早くない?と思っていたので、当時新作がリリースされると知った時は急な話だったので驚いたのを覚えている。

そしていざリリースされたら、シングルカットされた「THE LIVING YEARS」がビルボードチャートで全米No.1を獲得するという快挙にも驚かされた。当時は理解出来なかったけど、この曲の歌詞は亡くなった父親に自分の本心を語れなかった息子が後悔の念を抱くといった内容で、そういう歌詞ならもっとしんみりした感じになるかと思いきや、曲調は結構明るめで大仰なコーラスが強いからかなりポジティヴなイメージが感じられるのもまた面白い。この1曲で、当時はフィルだけ注目されていたジェネシスにもちゃんと実力を持ったミュージシャンがいるという存在を示せたと思う。

前作にも「SILENT RUNNING」や「ALL I NEED IS A MIRACLE」などシングルカットされた曲は勿論、他にも良い曲は多かったけど、このアルバムは前作を上回る曲の質の高さを感じられる。お気に入りは先述の「THE LIVING YEARS」は勿論の事、「NOBODY'S PERFECT」や「BLAME」、「BEAUTIFUL DAY」辺りが好きだ。

このアルバムはブックオフで¥500くらいで購入したモノだったので、リマスター盤が欲しいなあと思いチェックしてみると余り良い評判を聞かないのでなかなか躊躇して買えないのが惜しいんだけど、だったら3rd以降のアルバムを聴いてない方をチェックした方が良いのだろうか?7月にベスト盤が出るみたいだからそっちでも良いだろうし。
ともあれ、マイク・ラザフォードがこんなにポップでキャッチーな良い曲を書ける人だとは思ってなかったという認識の甘さ(言い換えればナメていた/苦笑)だったので、それを知る上でも必聴の1枚かと。
しかし、時代を感じさせる音とはいえ、やっぱこういう音が一番しっくり来るんだよなあ...


「THE LIVING YEARS」


「NOBODY'S PERFECT」




今日みたいな曇り空でイマイチ気分がノラない時に聴きたいアルバム...って事で、今回はこのアルバムをチョイス。フィル・コリンズのソロ第四弾「...BUT SERIOUSLY」。発表は1989年でしたね。ジャケの写真を見ての通り、リマスター盤には現在の歳取ったフィルのドアップ写真が使われている。

このアルバムを最初に聴いた時、前作と比べると随分落ち着いちゃったなあ~と感じたけど、今思うと派手な音像でチャートを彩った80年代も終焉に近付いていて時代の流れをチャートの常連だった本人が一番感じ取っていたのではなかろうか?
まだこの時期のフィルはリリースする曲はヒットを飛ばしていて、映画「バスター」で主役を張ってサントラ盤まで担当し、まだまだ人気の陰りなど気にするには早い様な感じだったけど、このアルバムのリリース時既にフィルは38歳で(!)もう40代に入る前に自身のこれからのキャリアも視野に入れてこういった作品を作ったのかな?と。

このアルバムを聴く前にシングルの「ANOTHER DAY IN PARADISE」を聴いたのだけど、この曲がホームレスや貧困の問題を提起しているとベストヒットUSAで紹介されていて、じゃあ今回のアルバムは結構シリアス路線なのか?と思ったけど、実際に聴いてみると社会的なメッセージは「THAT'S JUST THE WAY IT IS」(邦題:悲しみのザッツ・ザ・ウェイ)で北アイルランド問題、「COLORS」でアパルトヘイト問題、そして前述の「ANOTHER DAY IN PARADISE」くらいだったので、前作があれだけポップに徹した作品で大ヒットを記録してるのにあっさり路線変更しないで良かった...と安心したのを覚えている。

ただ、前作にあった突き抜けたポップ感というよりは落ち着いて安心して聴けるポップスという感じで、この辺が年齢を重ねた部分が作品に反映されたんじゃないかと。私も今の年齢になってさすがに前作の時代を感じさせるキラキラしたポップスよりは、今作の落ち着いた雰囲気のポップスの方が好みだと思うし。お気に入りは「ANOTHER DAY IN PARADISE」「SOMETHING HAPPENED ON THE WAY TO HEAVEN」「COLORS」が好きだ。

勿論、このアルバムも全米・全英共にチャート1位を獲得。勢いはまだまだ衰えないと感じさせる貫禄の作品だと思うけど、次作で音楽性をそのまま維持するのか、それとも路線を変えるのかという先が見えないちょっとした”引っ掛かり”も感じられた。でも、今の時代に聴いても落ち着いて聴ける良い作品だと思う。


「ANOTHER DAY IN PARADISE」


「SOMETHING HAPPENED ON THE WAY TO HEAVEN」